【感想】Jessica ONE-MAN Live

2023年11月22日。
ぼくはライブハウス「サロンキティ」側の石手川公園のベンチに座っていた。

この公園に足を踏み入れるとライブを観に来たんだなぁと思う。気温は低く、もっと厚着してくれば良かったかなと思うくらいだ。しかし、ライブが始まればそんな心配もなくなるだろうという予感は当然あった。予感は正しかった。

この日はJessicaのワンマンライブが開催される最高な夜だ。

物販で会場限定のCDを購入した。
「すてきなひまつぶし」とあり、再録したようだ。家に帰って再生し、これは「新生素敵な暇つぶし」だと思った。デモ盤の「叫び」が大きく変わった時もいい! となったが、こちらもすごくいい。「Good Time」に収録されていたものから大幅にアレンジされ、現状における一番良い形での「素敵な暇つぶし」となっているようだ。

一体どんなライブになるのだろうか。ワクワクしていた。彼らがステージに姿を見せるのを待っていた。彼らのライブを観るのは今年あったフリーライブ以来で、ライブハウスで観るのは数年振りだ。今日という日がとても待ち遠しかった。

Jessicaの面々が端から登場する。衣装を合わせているようで、ジャケットを羽織っていた。これからライブが始まる。

音が鳴った。


 今回のワンマンライブは既存がアレンジされていた。何度も聴いた曲も違う曲のように、あるいは別の可能性を表現しているように思えた。キーボードが入るだけでこんなにも違うのか! となった。キーボードの方は「Qeltas」というバンドで活動している人だった。YouTubeで調べて聴いてみた。すごくいい。
「ちりぢりな夜」と「sweet rain」にも携わっている方だった。

Jessicaの音楽はいつも身近な距離感でいてくれた。気の合う友人と酒を酌み交わす時の安堵感に似ているように。幾度も喧嘩しても仲直りし、親密な話ができるきょうだいのように。彼らは日常の幸せと悲しみを、出会いを、別れを歌う。雨の日に差す傘のように、寒い夜の毛布のように包み込む。

彼らの演奏を間近で観て、ライブハウスの一体感を久し振りに体感することができた。名前も知らない人たちと盛り上がっている感じ。同じ野球チームを応援しているから友達! みたいな感じだ。居心地が良い。

途中のファンキーなミュージックに合わせてのグッズ紹介最高だった。めっちゃ笑った。こういうグッズ紹介初めて観た。

このライブは、Jessicaのツアータイトルにも使われていた言葉だが、ボヘミアン(放浪者)たちが集っているのだと思った。それぞれの旅を続け、寝床を確保して休み、火を囲みながら演奏を聴いているようなイメージだ。各々の日常を過ごし、Jessicaというバンドを目当てに集った人たちだ。

旅の終わりはいつか来る。悲しいけれどもそれは決まっていることだ。始まった物語もいつかは語り終わる。

始まった音楽はいつか鳴り止む。

最後の曲として彼らが選んだ曲は、ぼくが一番聴きたかった曲だった。頬を伝う涙がマスクを濡らした。目元を拭い、視界を良好にするけれども、再び伝う涙。今、多幸感に満たされているのだ。すっかり、忘れていた感覚だった。それを思い出させてくれたのがJessicaで良かった。

アンコールにはとんでもないサプライズを用意していた。間違いなく、最高のライブだった。


ライブハウスから出て、すぐにメモを取り始めた。その時のメモも参考にしつつ、この文章を書いている。あれからもう数日経過している。本当に良かった。行って良かった。心の底からそう思えるライブだった。どうすればこの喜びを伝えられるのだろうか。悩みながら書いている。少しでもJessicaの魅力が伝われば嬉しい。

Jessicaは本当にいいバンドだ。これから先も退屈させない、こちらの度肝を抜くような曲を聴かせてくれる。予想の超えていくものを届けてくれる。そう思わせてくれるバンドだ。だからこそ魅了され、応援したくなるバンドなのだろう。

これからも応援しています。

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