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手裏剣術とは何か

手裏剣と言ったら忍者が使うもの。
NARUTO-ナルト-や忍者ハットリくんをはじめとした漫画やTVなどで目にしたことがある人は多いと思います。板状の手裏剣を重ねて持って、シュッシュと投げる。そんな描写が目に浮かぶのではないでしょうか。
実際に行われている手裏剣術の稽古では忍者コンテンツでよく使う板状の手裏剣ではなく。金属棒の先端を削ったような「棒手裏剣」を使います。
この棒手裏剣を用いた武道が手裏剣術です。といっても、実際にこれで戦うのではありません。当然ですが、人に当てれば大けがをさせてしまいますから。武道は相手を倒す技術だった「武術」から派生しました。古来のそれは相手を効率よく倒し、無効化する技術にのみ焦点が当てられていました。しかし、それではそれ以上の発展はありません。平和な時代が訪れたときに求められたのは、それらを通して何を学ぶか、そしてどう生きるかです。間違えた時、失敗した時、それで終わりではなく何度でもやり直せる。そしてそこから学んだことを他に生かしてよりよいものにしていく。それが道であり「武道」です。
手裏剣術は手裏剣を用いてよりよく生きるための技術を学ぶ武道なのです。
居合道が真剣を用いて鍛錬をするように、手裏剣術は本物の金属で出来た棒手裏剣を持ち的に向かいます。この的は畳であったり、板などに緩衝材を張り合わせた専用のものだったりします。
そして、的に向かい手裏剣を打ちます。手裏剣は「投げる」ではなく「打つ」といいます。
金属とはいえ、先端がとがっているだけの棒です。
その回転をコントロールし、手裏剣を的に刺します。
回転のコントロール、方向性のコントロールを可能にするためには自らの身体、そして精神もコントロールしなければいけません。その過程で心身共に鍛錬することにこの手裏剣術の面白さがあります。
一見、ダーツなどと似ていると感じるかもしれません。しかし、刺さるように設計されたダーツとは違い金属の棒を削っただけの棒手裏剣は「ただ刺すだけ」の行為も非常に難しいものがあります。
刺すことを目的としているからこそ、結果もはっきりと出ます。手裏剣は忖度してくれません。
皆が平等にこの難しさと直面することからこの武道は始まります。

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