５人（２）

　最初にやることになったのは、男二人が、ポンキッキのムックのようだが、太っていない、毛むくじゃらの原始人の格好になって、岩石オープンに乗って、一般道を走ることだった。岩石オープンは、アニメ同様、途中で止まってしまう。すると、原始人は、車から降りて、こん棒で車を思い切り殴るのである。その異様な光景の脇を、特殊メイクでつくりあげたリアルなブラック魔王が、何事もないように歩いていく。
　また、あるときは、ゴレンジャーにもなる。ばんばらばんばんばん、ばんばらばんばんばん、とテーマソングが流れるなか、一人目の男が、全裸で、格好よく手足を動かし、パッと動きを止めてポーズを決め、ホタルイカのような包茎の陰茎をつまんで上にあげる。そこには、真っ赤に塗られたふぐりがある。そいつは、いかにも正義のヒーローといったような声で、赤ふぐり！　と言う。二人目の男もやはり全裸で、なにやら独特のポーズを決めて、こちらもポークビッツのような包茎のそれをつまんで上にあげる。裏側が青く塗られている。そいつは、ニヒルながらも叫ぶように、青のとわたり！　三人目の男もなにやらポーズを決め、後ろ向きになってけつを手で開く。肛門に緑の電動こけしが刺さっている。そいつは、ちょっと苦しそうに、みどまぐわい！　四人目のデブは、ものすごく怒った形相で、相撲の鉄砲のような動きをしたあと、おもむろに両手をあげる。わき毛がなく、黄色い。野太い声で、黄剃毛！　ナイスなボディの全裸のストリッパーは、イスに座って足を組んでいる。ＢＧＭのきれのいいところで、さっと足をＭ字にする。小陰唇が、きれいなハート形にはみ出している。それがピンクに塗られて、桃割れ目！
　一瞬の間を置いて、ストリッパーは、ばかじゃねえの、と呆れたように言い、Ｍ字をやめてしまう。すると、女を真ん中にして一列に並んで、陰茎をつまんだり、肛門にこけしを刺して親指を口でしゃぶってかわいい格好をしたり、手をあげてグリコのポーズを決めていた男らも、ポーズをやめてしまう。黄剃毛は、ふぐりって、仮面ライダーにいそう、とつぶやく。みどまぐわいは、赤ふぐりって、黒い犬のだよな、と言う。

#創作大賞2024 #漫画原作部門