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受験が終わり、次の受験生や受験予備軍の皆さんの関心は、当面は模擬試験ですね。模試のトリセツ特別編は、模試を受ける時期についてサラッと軽く解説します。元SAPIX講師/室長がズバリ解説する!       模試のトリセツ 第15弾!特別編

アオイ:「模試と一言で言っても、大手進学塾や予備校が外部向けに行う模試や内部生だけの塾内模
                  試があります。塾内模試は必修ですからすべて受けなければなりません。それによってクラ
       ス昇降がありますから。受けないと落ちます。なので、外部向けの対外模試についてお話し
                  ます」
保護者:「受験が終わるとすぐに大手進学塾や大手予備校の模試のチラシとかを目にするんですど、
       4月くらいから受けた方がいいんでしょうか?」
アオイ:「まず模試を受ける時期を夏休み前と後に分けます」
       「夏休み前の模試は無理して受ける必要はありません。なぜなら、問題の内容も送られてく
                  るデータも夏休み後の模試に比べると今一つだからです」
               「この時期の模試問題は、受験が終わって間もないこともあって出題傾向の分析が間に合わ
     ないことがあります。僕はサピックスの開成オープンを主に作題してたのですが、分析が
     追い付かず作題に入ることがし ばしばでした。開成は少々手こずるので。
     それとこれは開成に限った話ではないのですが,入 試問題が手に入るのが4~5月だからと
     いうこともあります。あとサピックスの先生は東京 の学校に限らず首都圏及び地方の有名
     難関校の入試問題も分析するからです。全部解いて分析するのでかなり大変です。
     関西圏の学校は出題傾向が関東圏と違うのですが、それも分析します。なぜかというと、
     遠征受験で灘やラ・サールを受ける生徒が上位クラスには結構いるからです。授業を行う
     先生が作題を担当するので、分業する塾や予備校とは少し違いますが、夏休み前の模試が
     準備不足でいまいちなのは共通だと思います」
 
               「次にデータですが、この時期の受験者は数が少ないです。分母が少ないとデータは正確に
     出ません。受験者が少ない上に、受験者のほとんどが大手進学塾の上位の子たちが受ける
     (大手進学塾の上位クラスではすでにこの時期、受験の範囲が完全に終わっているので、総
     合問題である模試を受けやすい)ので、難関、最難関の学校に限り合格%は少しは確かで 
     す。それ以外の学校は正確に出にくい(中位から下位の子たちは総合問題が出来る状態では
     ないのと模試に対する意識がそれほどでもない)です。なので全体的に偏差値が低く出がち
     です。前学年時に受けた模試と同じ感覚で受けたらショックを受け、自信を失うかもしれ
     ません。受ける子たちのレベルが偏っているので、偏差値も合否判定もデータがいまいち
     になるのです。
     あと、模試によってはテスト範囲がまだ総合ではない場合があります」

    「それでもこの時期受けるメリットとしては、模試は予想問題であり、来季の入試を意識し
     たものになっていることは確かです。完璧ではないですが、早い時期に最新の問題を目に
     することができ、その最新の問題を解くことで来年度の入試問題を解くのとほぼ同じ経験
     が出来ることは何よりの経験となり受験に有利になります。その数は多ければ多いほど
                  最新の傾向をつかめるメリットがあります。入試問題は流行り廃りがあります。ファッシ
     ョンと同じ流行があるのです。なので古い問題は新年度の入試にはほとんど出ません。市
     販されてる問題集などは過去の遺物で鮮度は落ちそんなに役には立ちません。自論です
     が、経験上そうです。サピ生には書店へ行くなら参考書や学校案内、そして各学校の過去
     問集の類を見に行きなさいと言ってました。書店へ行っても並んでる受験用の問題集はど
     んなに新しいものでも古いからです。まあ頻度の高い問題や解き方のパターンを学ぶのに
     はいいと思いますが。とにかくその年の模試は最新の問題で構成されているので役に立ち
     ます。それに作題者が当てにいってる問題なので受けて損はないです。その作題者は年々
     ベテランの先生より若い世代の先生に変わってきてますので受験感覚が今風で新しいで 
     す。新しい問題に触れ、慣れるチャンスでもあります。
     とは言え、夏休み後の模試の方がもっともっと内容が充実していますけどね」
保護者:「夏休み前の模試はあくまでも任意で、絶対ではないということですね」
保護者:「受けるメリット、デメリットがはっきりしました。帰って早速家族会議です」
アオイ:「そうですね。お子さんの現状や志望校と照らし合わせてよく話し合ってください」
保護者:「では、夏休み後の模試のメリットデメリットを教えてください」
アオイ:「夏休み後の模試はメリットしかありません。問題は練りに練られた内容で自信作で完成し
     ています。どこかの入試問題に出てもおかしくないというか、出ます。算数、数学はかな
     りの確率で出ます(算数、数学は流行り、今年のトレンドが顕著に反映される教科なので)
     し、国語の現代文の出典は相当当たります(古典文学ではなく、書店に並ぶ今年の○○大賞
     の作品が出典の主流)。古典漢文なんてそのまま出ることがほとんどです。英語や社会はそ
     の年の時事ネタが必ず出ます。それらを分析して出題する模試はこれ以上ない問題集にな
     るのです。
     学校にはそれぞれ入試問題に傾向があります。その傾向を分析すると同時に今年のトレン
     ドを加え、総合問題を作成する塾や予備校の先生方の作題力はすごいです。なので、受け
     る価値は十分です。実際、入試本番で、これ見たことある!とか、似た問題解いた!とか
     よくありました」
   
    「それとデータですが、この時期ですからもう受験する子のほとんどが受けますのでデータ
     の信憑性はかなり高いです。上のレベルから下のレベルまで正確な合格%が出ます。
     余談ですが、特にサピックスオープンは上位の学校のデータとして正確さがマックスで
     す。サピオープンで合格%が高ければほぼ受かります。サピックスは超難関や難関校志望
     の子たちが集まりますので本番でも同じメンバーで競うことになります。なので、サピオ
     ープンで結果がよければ、それがイコール合格となるのです。他塾の模試を受けるまでも
     ありません。サピオープンだけで十分です。これはサピックスの利点の一つです。サピッ
     クスに通われている方々、この利点を大いに利用してください」
保護者:「中堅校志望の場合はサピックスオープンを受けなくてもいいですか?」
アオイ:「難関以上の学校につてはサピオープン。中堅だと他の進学塾の模試の方が正確なデータも
     出るし、相応な問題が出題されてます」
保護者:「わかりました」
保護者:「模試は主に土日、毎週のように行われますが、クオリティーとかどれも同じで全部受けた
     方がよいのですか?」
アオイ:「確かに夏休み後の模試は特にたくさんあります。ほんと毎週ありますよね。でもお子さん
     の負担を考えると、全部は避けた方がいいし、そこまで受ける必要はありません。ま、10
     
月と11月の日曜・祝日、特に11月の祝日の日に行われる模試は受けた方がいいです。受験
     者数がMAXです。なので、作題者や塾・予備校側が一番完成度のいい(予想問題として)模
     試をその日に充てるのです」
    「11月の祝日は特に申し込みが殺到するので、早いうちに予約申し込みをすることをお勧め
     します。年間で一番データが正確で試験内容が充実してます。おススメですよ」
 

最後に
「夏休み前でも後でも、模試を受けたら結果に一喜一憂せず、実力点を正確に出して(模試のトリセツ
 前後編を参照)、次回に備えてください。模試はあくまでも模試。今の自分よりさらにレベルアップ
 するための材料として捉え、本番までの準備の一環としてください。結果が悪くても努力してきた 
 のならポジティブに!」
 
 
 
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。お疲れ様でした。


ということで、次回「正直アオイ塾(アオイnote)vol.16は『受験のトリセツ』」です。
 


では、次回も「正直アオイ塾(アオイnote)」をよろしくお願いします。
 
                                     
                                                                                                                                     アオイナオ
 

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