カンニング

 スマートフォンと頭を同期することに成功した。画期的な発明だ。
 何でそんなことをしたのかと言うと、もちろんカンニングのためだ。他にも理由は色々あるけど、差し当たってカンニングのためだ。
 スマホには講義内容のメモや板書の写真なんかも入ってるしネットに繋げることもできる。まさにカンニングのための機械と言っても過言じゃないだろう。
 まずは試運転。お腹が空いたので近場の飲食店を調べると店の情報がヒットした。飲食店に向かう最中に腹痛を覚えると、胃薬や病院の検索結果が出て煩わしかったけどまぁ想定内だ。簡単にネットにつながっちゃうけどテストまでの辛抱だ。
 待ちに待ったテストの日がやってきた。
 「カンニングするなよ。ん?どうしたじっとして。どこか体でも悪いのか?」
 反応は無い。
    「救急車を呼んでくれ!様子がおかしい。あっ、校舎内は圏外だから、すまんが職員室の電話を使ってくれ。」
 すでにデータ通信量は上限ギリギリまでいっており制限をくらっていたので反応が凄く遅くなっていた。救急隊員に運ばれながら、Wi-Fi使えば良かった、と思った。


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