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0058.そして夜は甦る

もう少し、スマートフォンを有効活用したい。

昨日、角川文庫の「八つ墓村」を持っているのに、「八つ墓村」の Kindle本をアマゾンで購入した。それは、久々にスマートフォンで小説を読んでみたかったからだ。以前に、文庫本を持っていない「新 平家物語」「私本太平記」のKindle本を購入してみたが、面白くないので投げだした。なので、既読で面白いことがわかっている「八つ墓村」を購入した。

「八つ墓村」は、40年以上前に角川文庫を読んだときのように夢中になって読めた。途中、端末を iPad Air に替えてみたら、やっぱり画面が大きいぶん、 iPhone 13 mini より読みやすかった。それでも最後の 3章は iPhone 13 mini で読み切った。マンガの Kindle本やアマゾンプライムビデオの映画を観るのには iPad Air だが、小説の Kindle本はスマートフォンでイケる。

なので、引き続き iPhone 13 mini で小説を読みたい。なにがいいだろうか。Kindle本が発行されていないとダメである。谷甲州の「航空宇宙軍史シリーズ」が好きで、文庫本、および中編が掲載されている SFマガジンなどを持っている。しかし、その中核を成す「航空宇宙軍史 完全版」が文庫本 2冊分の合本なので分厚くて読みづらい。Kindle本ならどんな分厚かろうが関係ない。「航空宇宙軍史 完全版」を読むのにちょうどいい。

なので、「航空宇宙軍史 完全版」の Kindle本をアマゾンで買おうとした。すると、「航空宇宙軍史 完全版」一巻から五巻のうち一巻と二巻しか Kindle本が無い。なんでだろう、三巻以降はこれから発行されるのだろうか。ハヤカワに電話して訊いてみた。「一巻二巻は発行されていますが、三巻から五巻は発行されていません。いまのところその発行予定もありません」とのお返事をいただいた。電話を切ってから「くそったれ、ハヤカワ」と言った。

というわけで、さて、なにを読もう。俺が文庫本や単行本を持っていなくて面白そうな小説。結局、本屋さんでチラ読みして Kindle本を買う感じになるのかな。「グイン サーガ」とか「ペリー ローダン」とか、大河小説を読むエネルギーは、もはやないしなー。

といいつつ、「グイン サーガ 第1巻 豹頭の仮面」の Kindle本を購入してしまった。グイン サーガ は第78巻まで持っていて、外伝も第18巻まで持っている。作者の栗本薫さんは亡くなっていて、別のかたが書き継いで本編第148巻、外伝第27巻まで出ている。続きは読みたいと思っている。しかし、文庫本を買っても、もう本棚には空きスペースはない。なので、もう Kindle版で良いんじゃんと思ってとりあえず買った。

しかし、はいれなかった。何度も何度も読んでしまっている導入部に没入できなかった。そして、そもそも 第78巻で止まってしまった理由がある。文体が合わなくなってきた。栗本薫の文体は、語弊があるかも知れないが、少女漫画のような趣がある。若いころはそれが良かった。しかし、原尞を読んでハードボイルドがしっくりくるようになった。

なので、さっき、原尞「そして夜は甦る」を買った。単行本も文庫本も持っているのに、Kindle本を買った。原尞は、自身の著作のあとがきかエッセイで、「ハードボイルドは文体だ」と書いている。その文体に酔いたい。だから、買った。

3% までを読んだ。探偵沢崎が更科邸を訪れたところである。Kindle本はページではなく、パーセントで表記される。いい、この感じだ。「そして夜は甦る」を買って正解だ。次巻「私が殺した少女」の Kindle本を購入するかどうかはわからない。

iPhone 13 mini で、しばらくこの文体に浸ることにしよう。

柳 秀三

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