旅立つ前の宿題を謎解きのように残した母

母が他界してからというもの、母が私に残していった宿題ならぬ、謎解きを感じていた。

『かぁちゃんの何かけて！』

解いたのだった。

それは父を許すこと
そんなことはわかっていたはずなのに、できなかったんだ。

かぁちゃんは、死をもって
私に残していったんだね。

かぁちゃんとの約束
あなたの愛した人を最後まで面倒みるからね　だった。

そんな私は父の大好物の
豚汁を昨晩から煮込み
今夜の夕飯用に届けてきた

父の
『ありがとう、ありがとう』が、豚汁以上に私にはしみた。

後悔せずにすみそうだ