『ポストマン・ウォー』第1話:町の郵便局
あらすじ
『ポストマン・ウォー』第1話:町の郵便局
指先で一枚ずつ、百枚束のお札をめくりながら、頭の中で数える。
熟練の郵便局員ならこれを、三十秒とかけずに一から百までを数えあげるようだが、新人の中谷幸平にとってはなかなかの至難である。
札束勘定は、局員の誰もが最初に訓練するものではあるが、他にすべき仕事もなく、暇すぎる状況を取り繕うために行う作業でもある。真剣さに欠けてしまうせいか、単調な動作のせいか、一分とも経たぬうちに、睡魔というものが襲ってきて、脳が