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【ドラマ感想】Netflix『離婚しようよ』が面白い

評判になっていたし、予告編も面白そうなので見てみました。9話のうち4話まで観賞。

松坂桃李・仲里依紗主演、宮藤官九郎・大石静脚本のNetflix限定配信。この組み合わせで面白くないわけないでしょう、という感じ。

*以下ネタバレを含みます。 

うーん、設定は女優✖️政治家の組み合わせ(なんか聞いたことある)だけれど、この日本で「離婚」がしにくい現状もしっかり描いているな〜と思います。

大好きだったドラマ『大豆田とわ子と3人の元夫』の世界では、離婚出来なくて困ってる人なんか出てこなかったからね。

このNetflixドラマはまた違う角度から結婚、離婚について思いを馳せることが出来ます。地上波だと作れないやつですね、いいぞ。

やっぱりドラマってそのときの時代とか、世相を映し出しているものが作られるから好きです。

だいたい「結婚」は人間が作った一つのシステム。小さい子ども育てるにはよく出来たシステムだと思います。

ですが小さい子どもを育てるというフェーズでなかったり、広い意味での愛がなくなってしまった夫婦にとっては、


お互いにメリットがあるなら継続するのももちろんOKだし、反対に一方にでも「自分らしくない」と感じるならば、離婚するとか今までの結婚の形式を見直すという選択肢がある方が、世の中にハッピーな人が増えるのではないかなと思います。


人の心は縛れないですからね。どんなに物理的に縛ろうとも。



愛媛が舞台のドラマ『巫女ちゃん』で国民的女優になった黒澤ゆい(仲里依紗)と愛媛を地盤に持つ3世議員の東海林大志(松坂桃李)の結婚5年目の夫婦のお話。

毎週水曜日に2人でライブ配信をしているが、配信以外の時間では目を合わせて会話をすることもない。

結婚するときは、お互いを運命の相手だと感じて結ばれる。うん、それはあるよ。自分の人生のタイミングに上手く出現する人っている。

それまでの自分の人生で足りない、欲しいって思っていたようなものを持ち合わせているなと思うとき。

それでも世の中に変わらないものはない。

2人の間には分かりやすい事件もあったりして、お互いの心の中には「なんでこの相手と結婚しているんだ」という思いが沸いて、

夫婦は一致して「離婚しよう」となったのに一筋縄ではいかない「しがらみ」がある。

ゆいは「お嫁さんにしたい女優NO.1」(その姑
で難敵が竹下景子さんという昔の「お嫁さんにしたい女優〜」なのも笑える)で

そのイメージを売りにCMを何本もやって好感度をさらに上げている。

3世議員の東海林大志は、ハングリー精神や理想が感じられない、いいとこ育ちで女性にだらしなく頼りがいがない若者(人のいいニヤけたイケメン役がハマる桃李)。

地盤愛媛を舞台にしたドラマ「巫女ちゃん」(あまちゃんならぬ…クドカンさんw)で圧倒的な人気を誇る妻を持つことで、支持者集めを盤石にしているというメリットを享受。 

つまりお互いのお互いに対する思いとは別に、


「結婚」が「社会的成功」に大きく寄与して、
それを損なったときのデメリットを考えると離婚が一筋縄ではいかない、となっている。

事実、違約金を計算するゆいの芸能事務所の社長、選挙で勝てない恐れを抱く大志の母親や秘書たちからは
悪いことは言わない、離婚だけはやめてくれ」と大反対にあう。

で、それぞれ2人につく弁護士が古田新太さん、板谷由夏さんが実は同窓生だったり、

(夫婦と弁護士4人で会するシーンはもう最高のコメディパート!)

私が特に好きなのは、高島礼子さん演じるゆいのお母さんで「一度も結婚していないが、父親の違う子供を7人産んでいる」という自由な母親役。

メッシュを入れたヘアスタイルも似合っていて、こちらが抱くいつもの高島礼子さんのイメージと正反対のイメージ、現在付き合っている男も寛大な愛情深い男だったりする。本人は娘の名声にノリノリで自分勝手なところもあるのだが。

いつもとイメージが違う役で、面白く演じる役者さんみるのも好き。新境地みたいで♪



小ネタやエピソードは尽きないですが、視聴した4話めに、印象に残ったセリフがありましたので、紹介します。 


ゆいがふとしたことで知り合う自称アーティストの恭二。錦戸亮さん演じる、俗世間とは離れたところに生息する男。

あまりに純粋なままゆいに対峙する男・恭二に惹かれて、彼を好きになる。恭二もゆいを想う。

デートの現場を大志の秘書・早乙女(尾美としのり)に撮られ、それまでの形勢が逆転しそうになり(でもマスコミにはまだ嗅ぎつけられていない)周りの大人たちにこっぴどく叱られるゆいだが、

こっそりと、撮影でしばらく愛媛に行く前に恭二に会いに行く。前回恭二のもとへ駆けつけたとき、オブジェ制作中でゆいに冷たくして帰らせてしまった恭二。ちょっとした仲違いがあった。

夜、雨の降る隅田川沿い?の歩道。恭二は前回のことを謝って仲直りをし、お互いの好きな気持を伝え合う。

☔️☔️☔️


「しばらく会えないけど(略)
『巫女ちゃんスペシャル』の撮影も始まるし、選挙も始まる。万が一こんなとこ写真に撮られたら、大変なことになるから」

「俺はいいよ、別に」

「ダメだよ。だって不倫だもん、私たち」

「不倫て、何?」


「倫(みち)を外れた関係?倫にあらざる恋」

「倫にあらざる恋なんてあるの?

俺とゆいの心の問題を知らない人にいいとか悪いとか言われる筋合いないよ。


写真撮られようと、なんか書かれようと
俺らの心は自由だ。

ゆいもおびえないで」


「私たちの心は、自由」


「そうだよ」

その後、セリフ覚えがあるので帰ることにするゆい。

「よかった、会えて」と伝え、恭二が差してきた傘を受け取り帰りながら。

大志とは一刻も早く離婚しようとしたゆいだったが、

選挙を手伝おう、この恋を守るために」と決意を新たにする。

☔️☔️☔️

いいなあ。「恋を守る」か。そのために今の務めや役割を果たす。そんなふうに人を好きになれることは人生に何度あるだろう。恋する女、強し。ゆいを応援したくなる。

↑のパートは大石静さん脚本かな。カッコいい俳優さんへの嗅覚がさすが。錦戸亮さんは今まで特に気になってなかったけれど、この役は、周りの男性陣たちが持たない色気を一手に引き受けてる感じです(笑)。

大志のライバル議員として山本耕史演じる想田豪もなかなかのやり手で選挙戦にぐいぐい絡んでくる。

このあと5話以降もしっかり楽しんで観ようと思います。ポンジュースでも飲みながら。

制作された皆さま、楽しいドラマをありがとうございます。

読んでいただき、ありがとうございました。