見出し画像

【ドラマ感想】初恋の悪魔⑩最終回〜自分のままでいてよかった〜

とうとう終わってしまいました😭7月から9月まで2022年の暑過ぎる夏に。楽しませてもらったなあ。

※ネタバレを含みますので視聴後にお読みいただけると嬉しいです。

雪松、子どもを庇う…ついやってしまう類のことだ。ドラマのような殺人事件までは至らなくとも、身につまされるような思いをした人はいるのではないかな。

子どもと自分て、深入りすると境界線が分からなくなる。分からなくなりやすい。深みにハマって正常な判断が出来なくなっていった雪松。

そして弓弦くんの犯した罪について、なぜそうなったかなどの詳しい説明はなかったけれど、前回の鈴之介が言っていたように、以下のことを考えるのを忘れないでいようと思う。

「生まれついて猟奇的な人間なんていません。仮にいたとしても、僕たちはその理由を考えることを放棄してはいけない。

人を殺して当たり前なんて人間はいないんです。特別な存在じゃない。

殺人犯はみな僕たちの隣人です。愚かな隣人です。理由を探すべきだ」

主要登場人物はみな無事でよかった。収まるところに収まった、という感じ。

このドラマで主要登場人物、みんな大きく変わったね。その変わりようが嬉しい。

友だちなんかいない、いらないと思っていた鈴之介や琉夏はいい友だちが出来て、恋もした。2人とも好きな人のために力を尽くした。

特に鈴之介は好きな女の子を助けて守り抜いて、恋は一瞬の成就ではあったけれど立派だった。そんな君ならきっとこれからもいい出会いがあるだろうと確信するほどに。

人に合わせてばかり、引っ込んでばかりだった悠日は、自分を出せるようになった。悔しいときに自分を貫くことまでやってのけた。

コンプレックスを感じていたお兄さんとも事件を通して、ひとすじでも心を通わせて近くなれたと思えるし、星砂というお互いに心から思い合う恋人も出来た。

そして小鳥琉夏に戻るが、携帯には“あの人"と登録し密かに思いを寄せていた服部渚ととうとう最終回に距離が縮まる☺️

一時期、事件の推理のメモを渚に渡していたのが鹿浜鈴之介だと思い込んでいた渚。実はそれは小鳥だったと鈴之介から渚が聞いて、小鳥を見る目が変わったのだ。

もう、鈴之介もとことんいいやつ。

では最終回も個人的に心に残ったセリフ3箇所をピックアップして、世界に浸って、ドラマ感想「初恋の悪魔」を締めくくりたいと思います❣️


事件解決後、鈴之介宅キッチンで。田中裕子扮する小洗杏月が訪れて星砂と2人、お茶を、淹れながら。ちゃんと病院へ通うよう(人格の入れ替わりを治すために)星砂に促す。

星砂「でも、彼女には彼女の、世界とかあったわけでしょう」

杏月「それ言ったらねえ、ナニナニさんといる自分、ホニャララさんといる自分、は違うでしょう。

職場、友だち、子どもの頃の自分、大人になった自分、みーんなちがうでしょう」

「私の私は消えないじゃん。私の私はいるもん。
でも私だけになったら、いなくなるんだよ」

「あんた、その子のことが好きなんだね。そうだね。すこーしだけすれ違っただけだけどね、いい子そうだった。ずっとあんたのこと、守ってきてくれた子なんだものね」

「うん」

(鯛焼き?食べながら話す2人)

「だったらもう、あんたの中にもその子は生きてんじゃないの?お別れじゃないよ。

会えなくても離れてないひとはいるの

杏月に身を寄せる星砂。

動物(人間も動物だね)同士が身を寄せ合ってるみたいな演技、松岡茉優ちゃんホントうまい。

「万引き家族」で樹木希林さんと身を寄せ合っていた松岡茉優ちゃんを思い出す。逸れました🙏戻ります。

星砂の場合は、別の人格が出るともう一方の人格を忘れてしまうけれど、私たちは普段から当然のように自分の顔を使い分けて生きている。

そして会えなくても、離れていないほど自分の中に沁み込んだ人ってある意味、ただ会う人よりも深く濃く付き合っているんだよね。


無実が証明され、釈放されるリサ。釈放される日に星砂が迎えに行くことに。

満島ひかりちゃんの肉声がこのドラマで初めて聞けるかと期待しちゃいました☺️💓

さすが満島ひかりちゃん、星砂に会っても、自分が知る星砂ではないと知ると「どちらさまですか?」ときた。見知らぬ人への態度。

喫茶店に入るがお互い他人行儀になりながら、そこにはいない“もうひとりの星砂“の話を懐かしそうに、愛おしそうにするリサ。

うーん、リサ立派だね。自分が大切に思った子が目の前に現れなくても、

泣いたり責めたり馴れ馴れしくしたり取り乱したり拗ねたり意地悪言ったりしないで、同じ人間の中に入っている星砂に対峙してる。

相手を心から大切に想わなければ、そして尊重しなければ出来ないことだよね、それ。

喫茶店にはショパンのノクターン(夜想曲)第二番が流れている。風の強い夜に歩くのが好きだと言っていたリサのテーマ曲のよう。

目の前にいる、自分が知らない星砂に 
「目をつぶってもらってもいいかな。

聞いてない振りして、(私の知ってる星砂と)
2人きりにしてもらっていいかな」

と請うリサ。

ただいま。星砂。

ありがとうね。待っててくれて。
私もさ、あんたに会いたかったよ。

ここでBGMが「初恋の悪魔・愛のテーマ」(勝手に名付けてます)に変わる。

これからはさ、ずっと一緒だよ。
また夜お散歩して帰ろうな。

遠回りして帰ろうな

そのあと"ナポリタン2つ、目玉焼き乗っけて"をそれぞれ食べる2人。

かっこいいリサ。愛情深いのにさっぱりしてて。笑い合いながらケチャップ付けてナポリタン食べてる。

いろんな愛の形があるものだけれど、リサは"もうひとりの星砂"を心から愛して大事に思っていたのだなと思った。


ラスト。夜、鈴之介宅に"もうひとりの星砂"がやって来る。
「風、気持いいですね。散歩しませんか?」と。
         (略)

「多分、今日で会えるのが最後かも知れません。
もうすぐ会えなくなると思うので、お別れを言いに来ました。

お別れというか、言っておかなきゃ、と思って」

「なにを?」

「ふふ。……鹿浜鈴之介さん」

「はい」

「あなたに会えて良かったです。

あなたのこと好きになりました。

もう星砂の顔が見られない鈴之介

あなたはとても素敵な人です。

これからもあなたのことを想っています」

鈴之介 泣きながら「ハイ」


泣き止んで、ジェスチャーしながら

「近所にアレなんて言うんですかね、こんな大きい犬が3匹いて、全員でボクに吠えるんです。」

笑い転げる星砂。2人で思い切り楽しい話、好きなものの話をする。
……………

「ボクは螺旋階段」
「首を振る扇風機」
「お饅頭なんかを食べたあとのあの区分けされた容れ物」
「高速道路のトラックから逃げ出した沢山の牛」

……………
「世界中、たくさんの暴力はあるし、悲しいことはあって、ボクが生きているうちにそれがなくなることは無いかもなんて思います。

でもね、人に出来ることって、耳かき一杯のことなのかも知れないけど、すいませんこんな話」

首を振る"もうひとりの星砂"「耳かき一杯…」

いつかね、暴力や悲しみが消えたとき、そこにはね、ボクの耳かき一杯が含まれていると思うんです。

大事なことは、世の中は良くなってるって信じることだって」

星砂「仲良くなれる人って、いて当たり前じゃないと思うんです。
いま、いなくていいんだと思うんです。

いまここにいなくても、別のところにいるかも知れない。その人も1人かも知れない。

大事なのは、ちゃんと自分のままでいることだなって。(略)

元気でいてくださいね!」

「ハイ。努力します。あなたも元気で」
「ハイ。努力します」

ありがとう!ありがとう!ボクはもう大丈夫です」

振り向かずに手を振り走り出す星砂。


主要登場人物4人はみんな自分のままでいて、友達になって恋もした。

いい出会いがたくさんあったね。

「初恋の悪魔」とても面白かったです。制作に携われたみなさま、良い作品を届けていただきありがとうございました。

そしてnoteで私の好き勝手な感想にお付き合いくださった方々も本当にありがとうございます。自分だけの備忘録のつもりで書いておりましたが、

スキをいただけたときは一緒にドラマを楽しませてもらっている気持になりました💓

また素敵なドラマ、映画などがありまして、セリフオタク&言葉オタクの私と再会しました際にはどうぞよろしくお願いします。

また一緒に楽しめることを夢みて🙇‍♀️😊💕

マーヤのヴェールを剥ぎ取るんだ!