見出し画像

いま公園が狙われている~市民団体が連携へ

神宮外苑の再開発など各地で樹木を伐採する動きが増える中、緑を保全しようと活動する市民グループが都内で集会を開きました。単発で活動してきた各グループが初めて連携するものだけに注目されます。

この集会は、神宮外苑の再開発に伴う樹木の伐採に反対するグループが中心となって呼びかけてもので、首都圏や関西から合わせて13の市民グループが参加しました。

参加したグループは▲日比谷公園の歴史と文化をこよなく愛する会、▲葛西臨海水族園の長寿命化を考える会、▲神宮外苑を守ろう訴訟、▲王子公園・市民ミーティング、▲北山エリアの将来を考える会、▲浜離宮築地と潮入の庭園を生かす会、▲目黒区美術館・区民センター再開発の見直しを求める会、▲芹が谷公園と周辺地域の環境を考える会、▲大阪市の街路樹撤去を考える会、▲上瀬谷の未来を考える会などです。


各グループの訴えはさまざまですが、共通するのは自治体の公有地や公共性が高い民有地で、自治体や事業者による再開発が計画され、その際、樹木など貴重な緑の多くが切られることに抗議している点です。

対象となっているのは、東京の日比谷公園や神宮外苑をはじめ、京都府立植物園や神戸市の王子公園、それに大阪市や横浜市の街路樹などです。今回の集会で初めて、比較的敷地が広い公園が再開発の対象として狙われていることが明らかになりました。開発する土地が少ない都市部では、「最後のフロンティア」となっている可能性があります。

再開発に当たって、スポーツや文化施設を建設する傾向があります。わたしも再開発自体に必ずしも反対ではありませんが、いまある緑の生態系を極力守ることが大前提になるべきだと考えています。

集会では、樹木を移植することで再開発を進める計画が見られるものの、専門家からは移植はかなり難しく、事実上無理だという意見が出ました。そのほか、自治体が計画を進める際に行なう「パブリックコメント」について、ほとんどが形式的で、アリバイ作りに使われているという意見が多く上がりました。また公園のような広い空間が都会の中に存在することが大切で、防災上も必要だという意見も出ました。

街路樹についても昨今、台風のときの倒木など一種の迷惑施設として見なされがちです。さらに維持管理費がかさむという財政的な理由もあるとされます。


都市部の緑がなぜ大事かというとそれは都市部には緑が少ないからです。山間部に行けば緑は多くありますが、都市部の緑は少ないだけに相対的な価値があります。経済成長が望めないいまこそ、お金や利便性よりも少ない緑を守り抜くことこそ結果的にまちの価値を高めると思います。

今回の集会をきっかけに、緑など自然環境を大事にしようと活動している各市民グループが結束することは大きな力になります。バラバラに活動するのではなく、情報を共有し合って大きな相手に立ち向かう戦略的な拠点になることを期待しています。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?