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宗教や信仰についての雑記 #226

◯フラクタル

前回、超越者はひとつのオートポイエーシス・システムであり、絶えず自己生成・自己維持を行う宇宙のプロセスそのものである。そして、人間が超越者に似せて造られた、その「延長された自己」なのだろう、といったことを書きました。

この「似せて造られた」ということから、フラクタルという言葉を連想しました。
フラクタルとは、自己相似性を持つ複雑な形状やパターンのことを指します。つまり、フラクタルの一部を拡大すると、その部分が全体と似た形状を持つという特性があります。フラクタルは自然界にも多く見られ、例えば、雪の結晶、木の枝、海岸線などがその例とのことです。

超越者の延長された自己である人間は、その超越者とフラクタルな構造でつながっているのではないでしょうか。
フラクタルな構造という概念は、全体と部分が同じようなパターンを持つことを意味します。個々の人間は超越者の一部であり、同時にその全体を(ごく限定的ではありますが)反映しているように思います。これは、個々の存在が宇宙の一部であり、全体の中での役割を持っているということでもあります。

そしてこれは、個々の意識や経験が超越者の意識と相似的な関係であるということでもあると思います。このように考えると、個々の人間の存在がより深い意味を持ち、超越者との関係性が重要な要素となります。
換言すれば、個々の人間は、宇宙という大きなフラクタルの一部であり、その中に宇宙全体の意思を映し出しているとも言えるでしょう。
まるで、一滴の水の中に海全体が映し出されているように、私たち一人ひとりの心の中に、宇宙全体の意識が宿っているというイメージです。

このようなフラクタルな構造を通じて、我々人間が全体とどのように関わっているのかを考えることは、自己理解や他者との関係性を深める手助けとなるではないかと、そんなふうにも思うのです。

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