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【本レビュー】起業するなら、まず会計

Haruです。今日は金川顕教著『公認会計士で起業家だから教えられる「すごい会計思考」』についてお伝えします。

結論、本書では「起業するなら会計を学ぶことは、必須!」「知らずに起業するのは自殺行為」ということが書かれています。筆者は、大学在学中に公認会計士に合格。有限責任監査法人トーマツに入社後、2年半で副業スタート、3年目には副業が本業の給料(年収600万円!)を超えたので起業。という経歴の持ち主。

公認会計士だから「会計必須」と言っているのでは?と思うかもしれません。そう思う方は、リベラル大学の両学長のYouYubeをぜひ聞いてください。高卒の両学長も「資格取得するなら簿記!」と言っています。なんなら、私の前職の社長(高卒・本読まない・炎上発言多め)も、「簿記はやっておいた方が良い」と言っていました…笑。

このブログでは、なぜ会計思考が必要なのか?会計思考があると何が良いのか?をまとめてお伝えします。


大前提:会計思考って何?

そもそも会計思考って、なんとなくお金のことと分かるけど…という方も多いのでは。分かりやすく言うと、お金の流れを知り、税金をいくら払うかを知ること

「お金の流れ」を具体的に言うと、以下の4つです。

  • どんなモノや行動がお金につながるか(収益)

  • 何にお金がかかったか(費用)

  • 何がお金を生むのか(資産)

  • 何がお金を減らすのか(負債)

これら4つを知り、加えて、税金の支払額を知ることが「会計思考」です。

起業したとき、会計思考だと何が良いの?

会計って難しいから、そこは専門の方に任せるよ…というそこのあなた!もちろん、起業したら、お金を払って会計士・税理士にお任せすることは多いです。でも、最初は自分でやることもあります。また、会社にとって一番大事なお金ですから、自身の知識はゼロで、誰かにすべてを任せてしまうのはとても危険です。

本書では、会計思考だと何が良いのか、具体的な例をもちいて、会計知識がなくても簡単に読めるように書かれています。ここでは、2つご紹介します。

会社はどういうときに倒産する?

「黒字倒産」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?利益が出ていて黒字でも、会社は倒産するということですね。では、会社はどういうときに倒産するのでしょうか?

答えは、キャッシュがなくなったときです。例えば、「掛け」という取引方法があります。簡単に言うと「ツケ払い」のことで、300万円の製品を売り上げたとして、代金は来月に払ってください、という取引になります。この場合、「売上が計上されるタイミング」と「キャッシュが手元に増えるタイミング」は異なります。

キャッシュが入るタイミングをしっかり把握していないと、仕入れ代金を支払う、もしくは税金を払うなどとなったときに、キャッシュがなくて払えないということが起きてしまいます。これが続くと「不渡り」となり、会社は倒産します。

「掛け」のように、会社のお金の流れは複雑ですので、資金繰り表やキャッシュフロー計算書を日々確認し、キャッシュがなくならないように経営をします。これは会計知識がある程度ないと、難しいものです。

お金を守る:「経費」をうまく使って、税金を下げる

会計思考が必要な二つ目の理由として、経営者の会話でよく聞かれる「経費で落とす」ということを理解するためです。例えば、車を新車として買うか、中古で買うかで、払う税金の額が少ないのは、どちらでしょうか?答えは「中古で買う」です。

理由をご説明します。車は固定資産のため「減価償却」が適用されます。減価償却とは分かりやすく言うと、大きな買い物をしたときに、費用を何年かに分割して計上することです。

新車で買う場合は、定額法の場合、減価償却が6年なので、毎年200万円の経費が計上できます。つまり、200万円の利益にかかる法人税等(約40%)=80万円の節税となります。

対して、中古車の場合、減価償却2年なので、毎年600万円の経費が計上されます。600万円の利益にかかる法人税等(約40%)=240万円の節税となります。簡単に言うと、経費が多い=利益が少なくなる、つまり払う税金が少なくなるということです。

このように、何がどれぐらい経費に計上できるのか、知っているだけで、得をすることはたくさんあります。また、経費として計上すると、なぜ税金が減るのか?この仕組みが分かっているうえで、仕事をする方が、より経費を節約できるのは想像できるでしょう。

このように、会計思考があれば、会社にとって一番大事なキャッシュ、つまりお金を「守る」ことができます。

Haru的補足

でも、私起業するつもりはないんだけど?という方に向けて補足です。

起業せずとも、仕事をしているならレベルアップ、年収アップにつながります。例えば、社内会議で、社長や上司が「今月は売上は下がったけど、粗利が○ポイントアップした」「取引先の〇〇は資金繰りが厳しいらしい」話していて、「???」となっていないでしょうか?

会計知識があれば、会話を理解し、「売上ダウンの中、粗利が上がったということは、原価が下がったのでしょうか。原価の内訳では何が下がったのでしょう?」なんて質問もできるようになります。あなたの評価はきっと変わることでしょう。

仕事だけでなく、家計管理にも役立ちます。例えば、家は資産になるので買うという方多いと思います。でも家は本当に「資産」なのでしょうか?

会計学で考えると、資産=利益を生み出すもの、負債=お金を支払う義務(将来的には利益を減らすもの)という定義です。家は、ローンの支払い、固定資産税の支払の義務が発生するので、会計学的には「負債」です。

また、何十年と住んだあとに売れるかというと、いくらかでも売れればいいですが、売れない場合もあります。会計思考があれば、家など大きな買い物をする際の見方もきっと変わり、より良い選択ができることでしょう。

まとめ

本書では、

  • 起業をするのであれば「会計思考」は必須である。

  • 会計思考とはお金の流れを知ること。

  • 会計思考を身に着けると、経営にとって大事な知識が身に付く。
    例:会社が倒産しないために、キャッシュフローを必ず把握しておく。
      車は中古で買えば、節税になるなど、経費について知見を蓄える。

ということが書かれています。

Haru的補足としては、会計の知識は、経営だけでなく、一般社員としても必須教養であり、主婦(夫)業でも役に立つ、ということをお伝えしました。

Have a lucky day!

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