2024/8/4 最近、ファッションについて思うことあれこれ

夏が真っ盛りということは、秋冬に何を着ようかと考え始める頃合いということ。
既に秋冬物のデリバリーは始まっていて、ピーコートをドッキングさせたようなsacaiのダッフルコートは店舗もオンラインも即完だったと聞いた。
今年はインフルエンサーから、行きつけの美容院の美容師から知人・友人まで、アクネのデニム買ったという声をたくさん聞いた。
いいなあ~と思いつつも、結局自分では買わないまま、この季節まで来てしまった。足元に関しても、アディダスのサンバもアシックスも結局いいなあと指を加えたまま、時が経ち過ぎてしまった。

最近は自分が買って着たりするよりも、人に着せたり、人が着ているのを見て「いいなあ」と浸っていることが多い。女性誌でハイブランドを着るアイドルやコレクション会場でのセレブのスナップ(横浜流星が着るディオール、めめが着るフェンディ、ラウールが着るヨウジ、ティミーが着るロエべなど)を眺めているだけでお腹いっぱい。

ここ数年、コレクションではテーラードスタイルの提案が多く、大きなトレンドの変化は感じられない。ロング丈は出尽くした感があるけど、コレクションを見る限りではまだこのトレンドは続きそう。
けど、ちらっほらショート丈もあったので復権が気になるところ。
(去年のルメールのショート丈のピーコートはめちゃめちゃ悩んだ末に結局買わなかった)
ちょっと前までは映画やドラマやなんかでショート丈のピーコートやダッフルコートを見掛けた時、かなり懐かし感があったけど、今はそれ程古い感じがしない。2010年代へのノスタルジアがひたひたと迫っているのを感じる(自分だけかもしれないけど)今日この頃。

思えば、2010年代前半のメンズ服には今のように膝下まであるロング丈のコートなんてほとんどなかった。(そもそもメンズは本っっっ当にアイテムの種類がなかった)当時のチェスターコートは膝上位の丈が主流で、シルエットもとにかく細いのがトレンドだった。
アレクサンダーワン期だったか、二コラ期だったか忘れたけど、試着したバレンシアガのチェスターコートがめっちゃタイトで腕が回らなかったのを覚えている。
膝下まであるロングコートに憧れがあった当時大学生の私はバイトで稼いだお金をつぎ込んで、ディオールオムやクリスヴァンアッシュを中古やアウトレットで買っていた。

個人的に当時リアルタイムで見ていて印象に残っているコレクションは、Dior Hommeの2012-13AW。この動画にはないけど、クリスとカール・ラガーフェルド御大とのツーショットはインパクトがあった。
久しぶりに見て気づいたんだけど、ショウのエンディングの音楽は、Woodkid - Iron。ケンドリの『Secton.80』の収録曲でSchoolBoy Qが参加しているThe Spiteful Chantの元ネタ。

それから幾星霜(まさに幾星霜だなあと思う。)、永らく続いたストリートへの傾倒やオーバーサイズトレンドはようやっと落ち着いてきた。
ボトムスは太くてもトップスはタイトめにしたり緩急をつけたスタイリングをしている人が多くなったし、デニムもワイド過ぎないストレートなシルエットが今の気分なのかなと感じる。

そして、ここ最近思うのはトレンドのサイクルが早くなったというのもあるけど、製品開発から製造、出荷、店頭に並ぶまでの異様なスピードだ。プラダのモノリスを模したソールのシューズが街に溢れるまでのスピード感と物量感には、正直ショックを受けた。ここまで行きついたか、という感があった。

そんな中で2024ssのバレンシアガのジャイアントブーツが印象に残っている。特徴的なデザインのシューズは何もバレンシアガに限ったことではないけど、(アトムブーツがSNSで話題になったのももはや懐かしい)
デムナのデザイン(あるいはアティチュード)にはどこか自覚的かつ挑発的な自己模倣を感じることがある。
モデルがぎくしゃくと歩く実用性から解離したソールの異様な厚さには、デザインが模倣され、似た製品が瞬く間に市場に蔓延する現代のファッション消費に対する皮肉めいたメッセージのようなものを個人的に感じた。

追記
先日、久しぶりの友達と会ってたまたま2010年代懐古の話の流れになった。
「あん時勢いあったのってなんだろうね」と私が言うと、「ネトウヨとEDM」という言葉が返って来て笑った。

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