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流刑囚

かって日本には島流しという刑罰があった。
八丈島とか、隠岐島とか、犯罪人を遠くの離島に隔離幽閉し、一般社会から分離する刑罰だった。
佐渡島の金山採掘労役を目的にした島流しは悲惨だったそうだが、島内でなんとか自活でき、党外へ脱出する手段をきちんと制御できれば、結構合理的な刑罰だったのではないだろうか。

日本全体から見れば、離島への島流しになるが、地球規模の世界から見れば、日本で生活することは、日本列島への島流しとなるのではないかと、ふと思った。
日本列島は結構広いし、そう悪くない環境だし、交通機関の発達でいつでもどこへでも出て行くことができるが、大多数の日本国民は、絶海の孤島の小天地に留まり続け、複雑怪奇な言語にどっぷり浸り、奇妙な価値観にこだわり続けている。
自覚がないから認識もないが、意識して見るようになると、日本は紛れもなく島流しのオーブン監獄と言えるのではないか?
快適な自由なオーブン監獄は、監獄と言えるかどうか知らないが。
しかし、偏狭な空間で、偏狭な視野で、偏狭な価値観に縛られ、偏狭な生活を送っている現実は紛れもない。

もっとも、今ここで論じたいことは、日本文化論ではない。
国際政治における日本の国家戦略について論じたいのだ。
辺境の、偏狭な意識の、自滅凋落が決定的となった日本国の、起死回生の国家方策を提案したいのだ。

アメリカの植民地支配からどうやって脱するか?
ともかく、先ず軍事支配を終わらせなければならない。
アメリカとの軍事協定は、日本の安全保障に全く寄与しないばかりか、逆にアメリカの軍事戦略に組み込まれ、不安定な危険性が激増する。
どうやれば、アメリカ軍を撤退させ、軍事支配を止めさせることができるか?
アメリカが制定に意を注いだ現行の日本国憲法を、盾とし矛として、アメリカの軍事力支配力影響力を封じるしかない。
アメリカを超える世界第一級の民主主義国家となり、非武装中立を確立し、アメリカ軍に撤退してもらうしかない。
アメリカの自己矛盾を突くしかない。
アメリカの軍事力が、日本の非武装中立を担保するものではなく、逆に損なうものでしかないことを明示する必要がある。
アメリカの自己矛盾は、人種民族差別、貧富格差、銃器保有社会、に顕著に表れている。

恐らく、日本ほど民間社会に武器が存在しない国家は、他にないだろう。
貧富格差も急激に悪化しつつあるが、まだまだアメリカよりははるかに良いし、社会制度や社会の安定性はまだ健在だ。
さて、人種民族差別だが、これが日本では解消が難しい。
閉鎖偏狭社会では、排他的になり、差異を強調することで、自己のアイデンティティを確保しようとする。
体格外見、言葉習慣、宗教文化、これらが異なる人種民族への不慣れなアレルギーは非常に大きい。
日本人はつい150年前まで、藩というごく小さな単位で、必死の思いで対立競争していた歴史を持つ。

世界のユダヤ人人口は、イスラエルとアメリカを主にして、1500万〜2000万だと言われる。
イスラエルはアラブの地に強引に建国し、アメリカでは富を集中独占している。
しかし国際性に富み、能力も高いと聞く。
アメリカのユダヤ人はともかくとして、イスラエルのユダヤ人は全員日本に引き取ればどうだろう。
日本ほど宗教に寛容・無頓着な国はない、あの統一教会ですら日本で力を持つことができる、種々雑多宗教の見本市みたいな日本社会で、結構共存共栄している。
1000万人程度のユダヤ人は、少子高齢化が本格化している日本では、十分収容可能だ。
非武装中立、最先端の民主主義社会、この小天地をユダヤ人に開放してはどうだろうか?
これによってアメリカに恩を売り、軍事支配を解かせる。
ユダヤ人を一挙に非武装化し、世界平和に寄与する。
アラブは最大の癌を解消できる。
日本はユダヤ人の国際経済ノウハウを吸収し、新しい経済大国に脱皮できる。

ユダヤ人に祖国を提供しようではないか。
ユダヤ人と共に新しい日本国を作ろうではないか。
日本人はもともと雑多な混血な人種で、文化言語も複合階層で成り立つ。
21世紀をもって新しく、ユダヤ文化を受け入れることは、日本の新時代を切り開くことになる。
核汚染原発廃棄をどうするか、食糧自給をどう回復させるか、閉鎖空間の日本で国際性をどうやって担保するか。
日本は喫緊に解決しなければならない難問が山積している。
ユダヤ人の知恵を借りて乗り越えるべきではないのか。

たぶんユダヤ人にとっては、流刑囚になるような感じだろうな。
しかし、ここにも小天地はある。

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