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こだわるアリカツ(蟻の飼育活動+α)   ②クロオオアリの餌を考える

 クロオオアリは雑食性で、いろいろなものを食べます。自然界のアリを観察していると、虫の死骸を巣に運び込んだり、落ちた果物にたかっていたりします。飼育する場合も、筆者はなるべく似たようなものをあげるように心がけていますが、虫の死骸を見つけるのは大変手間がかかりますし、手に入るとは限りません。そこで筆者はアリに色々与えてみて、人間の食べ物の中でアリが好む餌を探しています。上の写真はちらし寿司を買った時にさまざまな寿司ネタを小さく切って皿に乗せて与えた時のもので、このアリはエビとカニは食べることがわかりました。卵焼きにも噛みつきましたが、細かくされた後はそのままゴミ捨て場に投棄されました。私の経験上では、クロオオアリは貝とイカをよく食べます。生でも加熱してあっても大丈夫でした。

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しじみやあさり、牡蠣、ホタルイカなどが扱いやすいです。アリが食べきれずに乾燥したものがケースに残ると、たいへん強い臭いを発しますので、アリが食べ切れる量、持ち運びやすい大きさ、様子を見て早めの撤去を心がけています。

 手に入るなら、自然の虫もおすすめです。できるだけ弱らせてから与えています。小さなものであれば、そのまま与えるとクロオオアリは集団で襲い掛かり、クロオオアリの凶暴性を目の当たりにすることができます。ただし飼育ケースの床に餌になった虫の体液が付着するので、後で濡らしたティッシュなどで清掃が必要です。小型のバッタなども食べますが、相当弱らせてから与えないと、バッタの足で蹴られてアリが怪我をします。アリはバッタを巣に運び込みますが、まず足を切り離し、扱いやすくしてから作業するように思えます。

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 筆者が観察した中で、クロオオアリが一番食いつきがよかった虫は、蚊です。夏場に部屋の中で叩いた蚊をケースに入れると、クロオオアリは大変な速さで巣に持ち帰ります。ただ小さいので、コロニーが大きくなると満足させるだけの蚊を捕まえるのは大変です。初期のコロニーではいいのですが、大家族の場合はおやつ程度にしかならないと思います。

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 果物もよく食べます。糖度が高く、一般的に高級品であれば良く反応します。シャインマスカット、メロン、梨、マンゴーなどです。下の写真は、台湾産マンゴーにむしゃぶりつくクロオオアリです。

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 最後に、液体の餌です。メイプルシロップ、ガムシロップ、黒蜜などを少し薄めて与えます。こうしたものを嫌いなクロオオアリはいません。餌はローテーションで毎回変えて与えるようにしていますが、このシロップ系の餌は数回に一度与えています。蟻の数が少なければお行儀良く並んで口にする光景も見られますが、数が増えてくるとご覧の通りです。飲むときはわれ先に飲みますが、その後はメンバー全体に行き渡るように、巣の中で口移しで分け合う光景が見られます。

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