見出し画像

【新卒教師向け】集団形成の段階

1⃣ 集団形成の段階とは?

 学級集団には、段階というものがある。

それは、様々な書籍を読み、実際に学級経営をする中で実感したものだ。

この集団形成の段階を意識して、見通しを持って学級経営をすることによって、無理なく集団としてのまとまりを形成することができる。

では、その集団形成の段階とその時期のポイントを伝えていく。

ちなみに、ここで出てくる用語は教育界でも使われる用語である。

2⃣ 混沌緊張期

 時期としては、最初の1週間ぐらいのイメージだ。
集団としてのまとまりはなく、バラバラとした混沌状態だ。
また、クラスの始まりのため、緊張感がある。

☆ポイント
この時期は「黄金の3日間」とも重なる期間であり、この緊張感がある時期に組織として心構えやルール、役割などをしっかりと伝えていくべき時である。


3⃣ 小集団形成期

 時期として、4月中旬~5月くらいだろう。
この時期には仲の良い2~3人の小さな集団ができてくる。
また、つながり方としては横のつながりが強いだろう。

☆ポイント
この時期はなるべく、合う合わない関係なく、様々な仲間とペアワークなどの協力をするような取り組みをすると良いだろう。
そのようにして、「誰とでもコミュニケーションをとれる」という感覚をつくっておこう。

4⃣ 班集団形成期
 時期として6月~7月上旬くらいだろう
この時期には班という組織での役割などを意識した行動ができるようになってくる。特に班長と班員という縦の関係も見られるだろう。

☆ポイント
この時期は、班で取り組むような楽しいグループワークがあると、より一層コミュニケーションのとれる班集団が形成されるだろう。

5⃣ 中集団形成期 
 時期としては7月中旬~夏休み前ぐらいだろう。
この時期には、班同士で協力できるということが望ましい。
班という別々の組織が協力できるということだ。
2つの班で協力、3つの班で協力ということが段階的にできるといいだろう。

☆ポイント
班という枠組みだけでなく、列で協力したり、班員を少し入れ替えたりすると、班同士で協力するためのつながりができやすいので、おススメだ。
その上で8~15人ほど(班3つ分ぐらい)で協力するレクリエーションなどをすると楽しく取り組めるだろう。

※夏休みが明けたら、9月は班集団形成や10月は中集団形成を短時間で行っていけると良いだろう。

6⃣ 大集団形成期 
 時期として11月~12月上旬
これはクラス全体で物事に取り組める状態だ。
これはレクなどで取り組むこともできるし、ちょうど合唱コンクールなどがあれば、パートごとにわかれていた集団を、本番までに全体での合唱にまとめていく流れが有効だ。
この実践的な行事を通して形成された大集団はとても強いと感じる。
合唱コンクール前後にも大集団形成の取り組みをするのも有効だ。

☆ポイント
全員が協力することによって、よりダイナミックな素晴らしい感動が生まれることを事前に伝えたり、事後に褒めたりすることによって、クラス全体としてまとまることに価値を感じることができる。その感覚が3学期のさらなる成長につながる。

☆冬休み明けの1月中の短時間な期間で、班集団、中集団、大集団形成を意識しておくといいだろう。

7⃣ 自治的集団形成期
 時期として2月頃だろう。
 この時期は、日常生活においても多くの生徒がクラスにおける自己有用感や所属感をもっており、自分の役割を果たすこと、クラスに貢献することにポジティブな感覚を持っている。
そのため、クラスのルールやシステムが適切なものであれば、教師がいなくても自分たちで学級生活を過ごしていけるという状態になる。
あとは、その自治的な学級生活を教師がアドバイスしたり、褒めたりすることでレベルを上げていくことが好ましい段階である。

☆ポイント
教師が教室に来る日が少なることをあえて伝えたり、それは自治的集団を目指していることを宣言したり、誰もいなくても、誰にも何も言われなくても適切な行動ができていることを褒めるなどをしていく。
とにかく褒めることが多くなる、その中で、さらなるレベルアップができると考える部分を精選して伝えていく。それはクラス全体だけではなく、クラスにおいて「気になる生徒」をサポートしていくことも含まれる。
また、自分たちだけで過ごすことが価値あることだということを、あらゆる場面で褒めながら伝えていこう。

8⃣ まとめ
 以上が、学級における集団形成の段階である。

これらを信じて、適切な学級経営システムとルールを土台として、集団形成に有効な取り組みなどを生徒に提供し、適切に評価していくことで、段階を上がっていくことを実感できるだろう。

ただし、時期などは学級の潜在的な能力にも影響されるので、しっかりとクラスの状態を感じ取って、次なる段階を目指して学級運営をしていこう。

自治的集団になった時は、学級運営が楽で楽しくなる実感があるだろう。
生徒も安心感と充実感と成長を感じられるだろう。

ぜひ、集団形成の段階を意識してみよう。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?