文章力とは何か

 前回の記事では、文章力を鍛えようと考えた理由を2つ挙げた。

1. コンサルタントにとって、文章力が何よりも重要なスキルなため
2. 文章を書くことが圧倒的に苦手だと気付いたため

 まずは、「文章力を鍛えるとは何か」について、考察する。

 文章力とは、どんな読み手に対しても自分の主張を正確に伝える力、と考える。

 読み手によって、主張に対する解釈が異なるようであれば、それは良い文章と言えない。また、いかに綺麗な日本語を書いていようとも、主張がないものは文章と言えない。ただの文字列である。

 少し脱線するが、chatGPTが革命だと騒がれている要因に、AIが文章に限りなく近いものを書けるようになった点が挙げられる。

 従来のAIによる文字生成は、あくまで文字起こしに留まっていた。つまり、音声を文字に変換する、設定された法則に従って文字列を組み合わせる、など、すでにある「事実」を正確に並べる機能だけ備わっていた。

 chatGPTが革命的なのは、主張(打ち手)まで出せるようになったことだ。「人間の専売特許」と考えられていた領域に、ついにAIが対応してきた。

 しかし、まだchatGPTも完全な文章は書けていない。文章に必要な要素が1つ欠けている。

 その要素とは、「問い」を設定することである。

 chatGPTは、使用者が「問い」を投げかけることで動き出す。「主張」も、その論拠となる「事実」も、「問い」があってこそ意味をなす。「問い」の立て方次第で、文章の面白さの明暗が分かれる。

 かと言って、「問い」だけにこだわって、「主張」と「事実」を疎かにしては文章として破綻する。冒頭に述べた通り、読者に主張を正確に伝えるためには、問いに対する主張と、その根拠(事実)が、綺麗に繋がっていることが重要である。

  従って、「文章力を鍛える」とは、2つの力を養うことである。
 ・「問い」を設定する力
 ・3つの要素(問い、主張、事実)を綺麗に繋げる力

 この力こそ、コンサルタントにとって、土台となる力である。

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