「ありがとう」の朝

何年振りだったでしょう

とにかく 慌てました

ほんとに この日の一日は思い出したくない日
でも忘れてはいけない
いや 忘れられない一日になりました

朝が どれほど大切かなんて 知ってます。
でも
やっちゃいました。

路線違いの電車に乗ってしまったこと。
行先を見れば アナウンスを聞いてれば あの駅で
気がつけば ありえないこと。

全て スルーしちゃった。
思えば 10年以上前にも やってしまったことがある
自分の下りたホーム、その隣のホームへ行くのに
電車の中を通っていく。
それを その電車に乗ってしまった。
一駅行って 違う景色に気が付き 焦った
すぐさま 戻る
が 幸い 遅刻することもなく着いたが
 その 景色が違うと思ったときの焦り。
悔いの波が一瞬に津波のように押し寄せる
 うそやろ!
それでも 神様はいて 間に合わせてくれたんだった

そう
今回 漫然となんの疑いもなく満員電車に乗り
遠くでアナウンスを聞いてたんだ
 ああ このアナウンス いつものやつね
なんて 都合のよいところだけ 聴いていた
 それが ポイントを切替次の駅名を聞いた途端
一瞬 凍った
 「○○○」
え?
うそでしよ。。
そうか
2分違いの先に来た路線違いの電車に 行先も確かめないで
乗っちゃったんだ

 降ります!こころが 叫ぶ。

ああ
降りたことのない駅の なんと空々しく 寂しいこと
どうすんの?
頭が いっぱいになる
 遅刻?そんな・・・ありえない。。あれほど早く
出てきたのに・・。どうしよ。一回 出てホームを変える?
いやいや この駅って。。。

 その時 おとなしそうな青年が歩いてこられた
思わず わたし 話しかけてた

  「すみません。線を間違えたみたいなんです。○○へ行きたいんですが
ここ 出るのでしょうか?」

青年は 「○○なら ここで あちらから来る電車に乗れば
いけますよ」
「そうですか。。」
そう言い お礼を言った。
でも、こころの中は不安だった。
少し 冷静になれば なんでもないことだったけど。。。
きっと ひとから見れば 心許ない面持ちだったのかも知れない。
ほどなくして  先ほどの 青年が 戻って来られたのだ

「ここで 待たれたらいいですよ。○○に行かれるのですね?」

 はい そうなんですけど ほんとは ○○に行かなきゃいけないんです。

「ああ じゃあ」と言ってスマホで検索をされる。
「いやいや、すみません。お仕事があるでしょ?ごめんなさい」
というと いいですよと言いながら また スマホに目を落とされる。
「次の電車が来ますから これに乗られたら ぎり 間に合いますよ」
とにこやかに話される。
 ああ
なんといい笑顔なんやろ。
どう言って感謝を告げればいいのだろう。
この数分間で我に戻り 目の前に解決の絵がすっきりと現れたのだ。
 それは この方の暖かさが冷静さを取り戻せたのだ
それなのに また戻ってまでも助けようとされた気持ちに
なんといえばいいのだろう

もしかしたら 私に関わる5分が 彼の仕事時間に差し支えるかもしれない。申し訳なさでいっぱいだった。ありがたかった。
そして  今朝がたの 夫との会話が脳裏をよぎった。

 「今日は 一人勤務だし もう慣れたんだし 一本遅いのに
乗ったらどう?10分遅れのさ」
 「そうやなあ でも やっぱり余裕のないのは 嫌だから
これで行くよ」と言って 家を出たのだ。
まさしく 夫の言ってくれた電車に 結果的に乗ることになろうとは。
いつもの電車が乗り継ぎの駅で待ち合わせる、あの電車に
私 乗ってるんだ。
あの待ち合わせの時間が嫌だったのに お蔭で 私 乗れたんだと
なんか 変に感心してしまう。
これも あの親切な青年のお陰だ。
 
この日は やはり 散々な日だった。一筋縄では行かない作業。
PCと悪戦苦闘の末 いつのまにか上手くいってたり なんなん?これ
みたいなことが起こる。
それでも 一日の終わりにはつつがなく退勤を迎えられた。

 もう
あほまるだしの話ですが 書きたかったのです。💦
勿論 夫に 「こんな稀有なひといないよね」「10人中9人は
仕事に行くよね」というと ふたつ返事で即刻「はい」。。。
 だよねえ。。
あのすばらしく優しい青年のことは 忘れられないひととの出会いになり
思えば 沢山のひとに助けられ生きて来たんだと感謝の思いが広がり
不甲斐ない我を思い返していました。

 あの時のあなたへ

このnoteで もちろん 出会えるとは思っていませんが
ほんとにありがとうございました。あのあと お仕事は差支え
なかったでしょうか?
 さわやかな笑みだけ残して行かれた背を見送りながら ずっと
気になりながら ありがとう と言っていました。 
 ごめんなさい。
そして 「ありがとう」

もし 心に留まって下さったら、、、本を出すと言う夢に使わせていただきます。