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真夜中の台所

あなた
今 何してる?
すっかり 夜も更けたね。

テレビをつけてたら 流れてきた曲。
ああ
なつかしいね。

また、出遅れ。。どうしよ。。
結婚して 母の料理や年越し仕事を見よう見まねで
やってきて 何年になる?。。
締め切り間近にならないと熱が入らないのは 
わかっているけど
今年ばかりは 参ったな。
いつものように はかどらないよ。
身体もこころもついて行かない。
やらなきゃとは思うのだけど 進まない。
うそ、。
あの子たちが くるよ。
とりあえず 買い物は たくさん してきた。
正月飾りもした。
でも。。。

夫が寝て、台所にひとり。
段々 我に返る。
テレビは 相変わらず 昭和の
しかも 私の青春ど真ん中の曲が流れてる。
やっと、やる気が出てきた。
鯛の昆布締め、筑前煮、エビの姿煮、手始めにできた。
外に出よう。

庭に出たら、冷たいけど
優しい冬の夜。
頭をまわしたら、いつもの星々。
ひと際光って微笑むあの星。
まばらに ひそやかに居る、
でも 居るからねって
合図してくれてるたくさんの星々。
ありがとう。
甘酸っぱい孤独色のラムネみたいな
あなたたち。
光ってるね。

もうひと頑張り。。一人だけの真夜中の台所。

こんな懐かしい詩が流れてきた。
鍋のなかから 暖かい湯気が出て 懐かしい
母の匂いがする。甘い匂いがする。
ひたひたと しみてくる。

あなたは もう休んだかな。
おやすみなさいは 聴いてくれるかな。

あなたへ
おやすみなさい。
素敵な明日を迎えられますよう。。



もし 心に留まって下さったら、、、本を出すと言う夢に使わせていただきます。