春と夏のかくれんぼ

昼下がり
遅出の日の電車は
ごとごと のんびり走ってく
満員の朝や暗い夜には見えぬ景色たち
山はくっきり誇らしげに居り
畑やたんぼは 実りの種まき
ねえ
光ってるね
ふたり並んだこたちが
なにやらスマホを見ては笑い声をたてる
ああ
あんな風にわらうんだ
ふっと零れそうになる
胸のうちのちいさなちいさな
あったかいもの

電車は 春街道から初夏の風を切っていく

もし 心に留まって下さったら、、、本を出すと言う夢に使わせていただきます。