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 夏になると、庭の地面に1センチ位の穴がたくさん開く。
アブラ蝉の幼虫が成長して、土の穴からはい出てくる。
木の枝や壁によじ登り、フカし蝉ガラを残して飛び上がる。
ジージーと朝から賑やかである。
 蝉は土の中で7年、成虫になり地上ではわずか7日しか生きていないと言われている。

 今年の夏。
 そういえば、蝉の鳴き声があまりしない。
あまりに暑い日が続き、蝉も熱中症を警戒しているのか、出てこようとしないのか。
庭の地面を見てみると、いや、いつものように穴が開いているし、蝉ガラもある。
 奥様に蝉の声が聞こえるかと聞くと、いつものように鳴いていると言う。
はて?
 実は、このところ以前から耳鳴りがしている。
朝から晩まで、一日中、耳の奥でジージーと聞こえている。
やれやれ、なんとも、蝉の声も耳鳴りも同じような音なんで、区別もつかなくなったってことか。
 こっちの蝉も、できれば7日で鳴きやんでほしいもんだ。

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