1月13日(2006年) 一時帰還
一瞬、耳を疑った。「小野伸二、浦和復帰」の一報が、にわかに信じられなかった。選手として脂の乗り切った20歳代半ばでの海外からの復帰。喜びよりも「嘘だろう」という気持ちの方が先に立っていた。
伸二には、どうしても怪我の印象が付きまとう。浦和の初期の時代も、フェイエノールトの時代でも。それが、伸二の活躍を幾度となく中断させた。仮に怪我が無ければ、伸二は中田英寿張りに欧州のクラブを渡り歩いていたかもしれない。そんな事を、一緒に応援している先輩と何度となく話した記憶がある。
私の記憶違いかもしれないが、戻ってきてからの伸二の活躍の記憶が薄い。リーグ制覇、ACL優勝、天皇杯優勝とチームが絶頂期だったのに、である。おそらく途中出場、途中交代が多かった事、チームの絶頂期故に他に輝いていた選手が多数いたという事だろう。記憶の隅をつついても、フェイエノールトに行く前の伸二ほどのインパクトが、私の頭に浮かんでこない。
伸二は2年後、今度はドイツへと旅立っていった。浦和へは「一時帰還」のような型となった。その後、浦和に戻ってくることはなく、清水や札幌などでプレーしているのだが、あの怪我の多かった伸二が、今なお現役で札幌に名を連ねている事は嬉しい現実である。中田英寿が晩年の怪我の影響もあり早々とユニフォームを脱いだのとは対照的で、かつて先輩とした話の逆の現象になっている。伸二の現役の日が1日でも長く続くことを。
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