新入りくん"Dani"の話
Boa noite.
こんばんは!こちらは今21:09です。
さて、今日色々と思うことがあったので平日に久しぶりにnoteを開いています。
このnoteもかなり自分語りが多くなってきていたところ(というかほぼ自分のこと)でしたが、今日は題名に記した通り、活動先に新しく来た子のお話しです。
以前も書いた記憶がありますが、私の活動先は孤児院です。
時々活動先に行くと見たことのない子供が新たに増えている時があります。
恐らく同僚達には事前に周知されているんでしょうが、私にはそのような情報は一切入ってこないので毎回驚きます。まぁ所詮ボランティアなので、、、笑
今朝、活動先に行くと子供達が真っ先に彼を私のもとに連れてきて、
「この子新しい子だよ」
と紹介してくれました。
名前はDani(ダニー)(仮)15歳の男の子です。
南アフリカ出身で数年前からモザンビーク で母親と二人の妹と暮らしていました。
軽度の知的・身体的な障害を抱えていますが、日常生活は自立しています。
発語はやや拙劣ですが、コミュニケーションも可能です。
なんとなく彼の表情が固く、笑顔が少なかったので、
今日は、彼と色々なことを話しました。
南アフリカに住んでいた時のこと、
彼の家族のこと、
誕生日や好きなこと、好きなご飯について
持ってきていた南アフリカの紙幣も嬉しそうに見せてくれました。
やっと笑ってくれた、と安心していたのも束の間で
少し目を話した隙に、囲われている塀をよじ登って外に出ようとしていました。
(時々門に南京錠が掛けられていた理由がようやくここで分かった。)
他の子供達や同僚達が、あいつが逃げ出した!!!と騒いでいたので、私も現場に行ってDeniに声を掛けました。
すると笑いながら私の元に戻ってきて、
「家に帰りたいの」
とボソッと一言呟きました。
どのような背景があって彼が此処に来たのか、私は何も知りません。
今まで新しく来た子達は一言もそんなことを言ってたことがなかったので、ハッとしました。
そりゃそうだ。と。
前日まで普通に家族と暮らしていたのに、突然引き離されて、知らない子供達の中に放り込まれて、状況を理解するのも飲み込むのも時間が掛かることだろう。
それに彼はまだ15歳、知的レベルでいうともっと幼いはずです。
続けて彼は
「ぼくの叔父さんがここに連れてきた。明日迎えに来るって嘘つかれた。ねぇ、家に帰りたいよ。」
と言って泣き出してしまいました。
そんなDaniを見て、私は何て声を掛けてあげるべきなのか、正直わかりませんでした。安易な言葉をかけることも、しちゃいけないと思いました。
彼の涙を見て、彼の気持ちを思うと、寂しくて、辛くて、気付いたら私まで涙が込み上げてきていました。(でも泣かなかった。我慢した。)
その様子を見ていた他の子供も心配して私とDaniとずっと一緒に居てくれました。
そのあとDaniが再び塀の外に出ようとはしませんでしたが、きっと計り知れないくらい辛い思いをしてるはず。
これまでにないくらい胸が張り裂けそうで、痛かった。
それはDaniだけじゃなく、ここにいる子供達が一度は経験していることだと改めて気付かされました。
家族が側にいること。
親がいること。
家族の愛情を受けて大人になっていくこと。
これって本当に当たり前じゃない。
日本にいても、同じだよね。
だからと言って、決して親のいない子供達が不幸せだと、そんな風には思いません。
活動先の子供達はいつも笑顔で、毎日楽しいことを探して、思いっきり笑って、泣いて、幸せだと言って1日を終えます。
Mia、大好きだよ
って何度も私にハグしてくれたり、
ずっとここに居てよ
って寂しそうに見つめてきたり、
沢山のことをもう既に私は子供達から貰っています。
でも、私は何がしてあげられるんだろう。
今日は本当に自分の無力さを痛感した、そんな1日でした。
自分なら何かできるかもしれない、って思ってここモザンビークに来たけれど
そんなのただの傲慢な思い込みだったのかもしれないなぁ。
大好きで大切な子供達の幸せな毎日のために、私に出来ることは一体なんだろう。
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