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突然闇に襲われる毎日

ある日、現地の事務所で会議をしていると、突然なんの前触れもなく、辺りが真っ暗になった。
なんだ!?とこちらは焦るが、現地の人たちは何事もなかったかのように話を続けている。
30秒ほどして、再び明るくなるけど、現地の人たちは、それにも反応する事なく、普通に話を続けている。

あれ?単に私が意識でも失ってブラックアウトしただけなのか?
まあ、そんな訳はなく、単なる停電だった。

それにしても、実に停電が多い。しかも、時間帯とか場所とかお構いなく、しかも何が原因だったのかもよく分からないままに、突然停電になって、そしてまたいきなり復旧する。

凄いのが、本当にほぼ毎日起きるのだ。
結局、停電に出くわさなかったのは、移動時間が長かった数日のみ。あとは会社だろうが、ホテルだろうが、立ち寄った喫茶店だろうが、訪問先の設計事務所だろうが、とにかく停電する。
そして、すぐに復旧する。

なんでかなぁと思って色々と聞いてみたのだが、結局いつもお馴染みの、どれが本当なんだかどうだか分からない理由ばかり。
曰く、勝手に電気工事して自宅に電気を引き込むヤツがいるから、どこかで回路が落ちちゃうとか、電線盗むヤツがいるから断線しちゃうんだとか、結構ムチャクチャな理由を言ってて笑ってしまった。

本当っぽい理由としては、使用電力の上限を超えてしまうので、手作業で引き込み先をスイッチするから、その時に切れるという話を聞いた。これはどうもリアルっぽい。まあ、かなり乱暴な電力供給事情だとは思うが。

冒頭の写真を見ていただきたい。こりゃあ、何か起きてもしゃ

その頻繁に起きる停電のために、大きな工場やビルなどは、DGなる設備を必ず備えている。
DG=Diesel Generator なのだそうで、ディーゼルエンジンによる緊急給電設備、とでも言おうか、要は緊急事態用の発電機というわけ。

大きな建物には、大体一角に緑色のでっかい機械があって、その機械に排気用の高い煙突がくっついている。この設備が必ずある。それぐらい、停電は頻繁に起こるのだ。

日本に帰ってきて、また安定電力供給の世界に慣れてしまったので、きっとまたインドに戻ったら、最初は停電に出くわしたらビクってするに違いない。

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