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エコ寝のすすめ

かれこれ30年近く前、ヨーロッパを一人旅した経験がある。電車に乗って地続きの国境を越える度に言語も通貨も建物の屋根や壁の色も変わるのは、日本という島国育ちの自分にとってとても新鮮だった。そしてスペインを訪れた。列車でバルセロナに到着し安宿にチェックイン。荷を下ろし、遅めの昼食をとるために外に出るとほとんどの商店がシャッターを下ろしている。今日は日曜日か祝日か?と思っているとそれはシエスタなるスペイン独自の文化であることを知った。
知らぬ土地で言葉もろくに分からず昼飯難民になった当時の自分は、何がシエスタだ!日本はいつでもどこでも飯にありつけるのに!と安宿のベッドで前日の残り物の果物とビスケットをかじりながら憤慨したのを覚えている。

ここでシエスタについて誤解がないように調べてみる。

シエスタ(siesta)は昼休憩(13:00 - 16:00が目安)を指す言葉であり、昼寝をしなくてもシエスタと呼ぶ。本来siestaはラテン語の hora sexta(第六時)における sexta を由来とする。すなわち日の出を基準として「第6時」(日の出から6時間後)、つまりおおよそ正午辺りの時間帯の意味である。siesta は単なる昼寝を意味するものではなく、長い昼休みに何をしてもよいということである。つまり起きていてもsiesta である。シエスタの後は再び仕事に戻る。昼食と同様、夕食も日本よりも遅く、就寝時刻も遅い。しかし朝は早い。つまり、シエスタをするからといって睡眠過多にはならない。睡眠時間の合計はシエスタなしの生活様式と大差ない。<ウィキペディアより抜粋>

素晴らしい文化ではないか!あれから30年が経ち、近年ではいわゆるグローバル化が進み企業官庁、そして商店もシエスタに準じないところもあると言うが、それにしても優雅な考えであると思う。その名の通り昼食後に昼寝をする、家族や友人と長いブランチを楽しむ、趣味の時間に没頭する。これこそ忙しい現代社会に取り入れるべき制度であると思う。

日本でもし午後の2時間だけでもコンビニやスーパーが照明を落として閉まるだけで随分とエコになるではないか。そしてそこで働く人達が思い思いの時間を過ごすこともできる。まさに昨今のSDGsも相まってシエスタならぬ、エコ寝制度とも言うべきか。そんなの無理でしょとも思うが、考えてみてほしい。数年前、スーパー、コンビニなどでレジ袋が有料化となった。当初は面倒くさいと思っていたが今はその制度も当たり前に浸透し、必要であればレジ袋を購入するし、買い物に行くとわかっていれば普通に自分でバッグを用意しているではないか。

24時間戦えますか!?と連呼していた栄養ドリンクのCMが昔あったが、そのおかげで今の日本があるのは事実だ。あれからうん十年が経ち随分とモノの多様化が加速し、それに準じてモノの価値、見方、考え方もすごいスピードで変化し続けている。このへんで減速し反芻し、ゆっくりエコ寝するのも良いではないかと思うお話でした。



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