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文章の不気味の谷、ハルシネーションについて<Tips①For Professionals>

最近、文章表現におけるAIの活用が増える中で、"ハルシネーション"という用語を耳にすることが多くなりました。以前はあまり馴染みのなかった言葉ですが、今やAI界隈では頻繁に使われています。

ハルシネーションは、日本語に訳すと「幻惑」や「幻想」となりますが、HAL’s Writing Gardenではこれを「文章の不気味の谷」として扱っています。

AIによる絵画やイラストにおける「不気味の谷」であれば、視覚的にすぐに違和感を感じ取れます。字が読めない子供でも「なんか変!」といち早く反応して、その場を立ち去ることもあるでしょう。

不気味の谷

しかし、文章の「不気味の谷」に気が付ける人はどれくらいいるのでしょうか?

私はAIが世に出始めた2年前、非公開の実験を行いました。(もう時効かな?)それは、自分で作成したWeb記事用の箇条書きメモをAIに入力し、瞬時に文章を肉付けしてもらうというものでした。その際、私自身では全く校正をせず、AIが書いたと伝えることなく、馴染みのクライアントに見てもらおうと試みたのです。

その内容は、

「何かが違う気がする。手直ししたいけれど、重大な誤情報もなく、文章が大きくねじれているわけでもない……」

というもので、点数で言えば75点くらいの微妙なライン。クレジットなしならOKだけど、心は結構痛むかなーというレベルでした。

結果的にその記事は編集者含む全ての工程を通り抜け、世に出て、お陰様で結構バズりました。公開後も、AIが書いたことを指摘する人は一人もいません。この時、私は「苦労=仕事」ではない世界の存在を体感したのです。

「これってさ、発注者側がスクリプトさえ用意できれば、無限に富を得ることができる…??」
そんな世界が垣間見えました(実際、その事実を知ってWebディレクター職に全振りした知人もいます)。

率直に言えば、多くの読者は社会的な陶酔の中にあり、書き手ができればデリートしたいと苦心する「文章の不気味の谷」にはほとんど気づかないのです。現状、日本語の媒体ではそのレベルで仕事が成立してしまいます。ただし、名前と顔を売っていく以上、質の担保がどのラインにあるのかは、慎重に見極める必要があります。

ここまで話が進むと、これから文章を書いていきたいと情熱を注ぐ人にとっては、モヤモヤするポイントが出てくるでしょう。

「AIが生成するつるんと無難な文章じゃなくて、読後感しっかり、濃厚な味わいのあるのはどうやったら書ける?」

「そもそも、“不気味じゃない文章”って何?」

これは書き手の素朴な疑問として残るものです。

次のNoteでは、文章の魅力を決定づける要素、“文章のオーラ”について、掘り下げていきたいと思います。


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