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ハイパーインフレの謎を探る

なぜハイパーインフレが起こるのか、そのメカニズムに迫ります。

問 ハイパーインフレは、戦争などで供給網が破壊された時に起こります。現代の日本では考えられません。

答 例えば、ジンバブエでは200万%の物価上昇が観測されました。生産力が200万分の1に低下したからですか?違いますね。ハイパーインフレは、通貨の信認が失われて起こります。

問 日本は供給能力が充分にあるので、需要の増加を吸収することができます。即ちハイパーインフレは起こりません。

答 供給能力は無限ではありません。無限に通貨価値が下落する状況では、物価は上昇せざるを得ません。

問 ハイパーインフレに近い状況になったとしても、国家は通貨を無限に発行できるので問題はないのではないか。

答 通貨を発行しても、インフレによりその効果は減殺されます。そのうち、いくら発行しても足らなくなりインフレをさらに加速させることになります。

問 ハイパーインフレが日本で起こると言われても、具体的にイメージできません。

答 貴方は、ホットポテトというアメリカの遊びをご存知ですか?みんな熱いポテトを持ちたくないから、次々に他の人に渡してゆき最後にポテトを持っていた人が負けになります。日本のババ抜きに近いです。
仮に円の価値が暴落することをみんなが予想したら、暴落する前に財と交換しようとするでしょう。円を受け取った人はさらに財に交換しようとします。最後に円を持っている人がババをひくからです。こうやって財の需要が無限に高まってゆき、そのプロセスで財の価格は雪だるま式に上昇してゆきます。ハイパーインフレが起こる仕組みを具体的に説明すると、以上になります。

問 過去に供給網の破壊を伴わずにハイパーインフレが起こった事例はありません。

答 過去に事例がなくても、起こるものは起こります。そもそも日本の累積債務対GDP比は、過去に例がない水準であり、過去の事例と比較すること自体意味のないことです。

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