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ベーシックインカム論者はなぜダメなのか。

①「どれだけインフレが起こるか」という、制度を持続させるためにもっとも重要な点について論者は誰も言及していません。
 10万円で制度開始しても、インフレが起これば10万円では足らなくなります。論者は全て、現在の物価水準で「この程度でいいだろう」という適当な議論に終始しています。

②社会保障制度をシンプルにすれば、運営コストが抑えられると主張する小さな政府論者が賛成に回ってます。彼らは、なぜ現行の制度が複雑であるのかを理解していません。
 税制度や社会保障制度は、適正公平を担保するために大変なコストをかけています。まず法律が複雑難解です。担税力が税額の多寡に連動するように制度設計する必要があるからです。また、経済活動に可能な限り中立にする必要があるからです。さらにその法律を執行するために巨大組織を運営しています。同じくベーシックインカム制度を公平にするためには、制度が複雑にならざるを得ません。結局同じことになります→③につづく

③既存の給付制度をどうするか、論者は適当なことを言ってますが、それでは誰も納得しません。
 公的給付にはありとあらゆる種類があることを論者は把握していません。例えば軍人恩給はどうするの。二階建ての企業年金はどうするの。原爆被害者への医療特別手当やベーシックインカムより多額の給付を受けている生活保護対象者はどうするの。これらを全て廃止し、ベーシックインカムに置き換えて一律給付されたら、みんな怒りますよね。逆にこれは残すなんて話になったら、結局みんな残さないと纏らなくなります。

④この他にも財源問題という難題がありますが、国債を発行すればよいという意見には呆れます。ベーシックインカムを借金して保障するということは、プライマリーバランスの赤字を制度化するようなものですよ。

まとめ
 論者に共通しているのは、現行の資本主義にフリーライドすれば働かなくてもいいよ、誰か他の人が汗をかけばよいとでも思っているんですかね。そんな都合の良い話は成り立ちません。ベーシックインカムを語る人たちに勤労と納税が国民の義務であるということを説いても、馬の耳に念仏なんでしょうね。


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