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まさにパーフェクトな藤巻氏の日銀破綻論を解説する

 日銀が国債を引き受けることを財政ファイナンスと呼びます。この方法によれば、理論上いくらでも通貨を発行することができますが、一体何処に問題があるのか。これをわかりやすく示してくれたのが元米国投資銀行日本支店長藤巻健史氏の日銀破綻論です。

①日銀が異次元金融緩和をやめられない訳

 まず長期金利という考え方を理解して下さい。国債を満期まで保有した場合の利回りをいいます。国債の価格が額面より下がれば利回りはよくなりますよね。日銀は国債の市場価格が下がらないように市場から大量に指値で購入しています。つまり、日銀は長期金利を抑え込んでいると説明されます。

 仮に日銀がこの猛烈な買いオペをやめたらどうなりますか。国債の市場価格は下がりますから、日銀が保有する国債に評価損が発生します。日銀はあっという間に債務超過になります。日銀は自らの破綻を避けるためにこの異次元金融緩和という名の金融政策をやめることができないのです。

②統合政府論の深刻な誤謬

 前述①により、日銀のバランスシートは際限なく膨らんでいきますが、これに対して統合政府というインチキを主張する人たちがいます。政府と日銀を一体とすれば(統合政府)、政府の債務と日銀の債権が消去されて問題が消滅するというとんでもない詭弁です。

 仮に統合政府とすれば、日銀の債務である日銀当座預金が統合政府の債務になります。現在はほとんど金利がついてませんが、仮に2%の金利を付与すれば10兆円です。日銀の純利益は1兆円程度だから、支払不能になり破綻します。すなわち、もはや日銀は金利を上げて物価を抑える機能を有しておらず、中央銀行としては死に体となっています。

 以上のとおり、①、②のロジックはパーフェクトであり、全く反論の余地がありません。裏を返せば、日本は絶望的な泥舟ということがわかります。どれだけ延命できるか、私たちに出来ることは限られています。皆さんはどう思われたでしょうか。

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