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勇気爆発バーンブレイバーン感想/ルイス・スミスとかいう罪な男

 円盤買いました。良かった…
 私は作り手や作中のキャラ達は真剣にやってるのになぜか面白くなってしまう作品や、作り手の「これがやりたかった!」という思いや勢いが伝わってくる作品が好きで、それを最終話まで見事に貫き通していく様が爽快で最高でした。


 ブレイバーン、多分スミスだろうな…と思っていたので、9話のネタバラシの時もやっぱりか~!とさほど驚きはしませんでしたが、予想出来ててもテンションはブチ上がっちゃうよね…
 前々から多種多様なフラグが立ってましたが、ライジング・オルトスの内部システムの設計図をミユに見せてもらっている時のスミスが、「ブレイバーンのシステムと似てる」ということに気付いたっぽかったのが決め手でした。しかもこのTSにこれから乗るのがスミスとルルときたら…

 基本的な雰囲気はコメディーでも、重めのシリアス展開と共存しているのも好みでした。
 スミスは幼い頃に軍人の両親を亡くしたことを、「ヒーローを守ってくれるヒーローはいなかった」と振り返っています。
 この時の思いが彼の胸にずっと根差していたからこそ、スミスの思う「本物のヒーロー」であるイサミを守りながら共に戦える鋼鉄の身体を持った勇者ロボになったのかと思うと泣けますし、イサミとブレイバーンを失った未来からやって来たルルもまた、スミスと似た後悔からヒーローを守るヒーローになることを選んだという構図も美しいです。

 スミスがイサミを性愛的な意味も含めて好きだったのかは、制作サイドがあえて明言を避けている節があるので諸説あると思いますが、個人的には恋愛感情込みの方が諸々の辻褄が合うなとは思っています。ミユさん大歓喜
 ブレイバーンが言っていたように繊細なところもある普通の青年なので、イサミに対しても周囲に対してもそれを打ち明けられていない、所謂「クローゼット」で、それがクーヌスの言う「内に秘めた誰にも言えぬ思い」の正体、と考えた方が自然かな、と思いました。

 スミスは、イサミとの約束を果たせず世界を救えなかったことへの無念から、憧れの特撮ヒーローをイメージソースに、乗っ取ったクーヌスの身体とライジング・オルトスを元にブレイバーンに生まれ変わっただけでなく、塔を破壊した際に内部の部品を回収し、自分でビルドバーンを作って合体メカを作るなど、もうめちゃくちゃに規格外の執念の男です。
 そんなスミスのイサミへの思いは並々ならぬものでしょうし、クーヌスがその思いを心底気に入ってスミスと接触し、相討ちの末ブレイバーンにならなければ、人類はデスドラへの有効打を失い滅亡していた可能性が高く、つまりクーヌスが何億人といる人類の中で目をつけるほどの強い思いであり、かつセカイ系の愛でもあったわけで…

 まあでも何発か殴られても仕方ない。

 そんなブレイバーン、もといスミスからの思いを何一つ知らないまま、セカイ系に放り込まれたもう一人の主人公・イサミ。
 TSの操縦技術も高く身体能力にも優れている分、実習では独断先行をするなど始末書ムーブをする割に、実戦経験がなくメンタルは豆腐という、結構な問題児でした。
 第一話のクールな男っぷりはどこへやら、毎回スミスに比べてやたら可哀想な目に遭い、裸に剥かれ、何度も怯え怒り狂い、死にたくないと泣いたり、あっさり白旗を振ったりと情けない姿を晒しまくっているのですが、それは反面ヒーローの素質とも言え、軍人や自衛官であろうと人が戦争で命を散らすことを激しく嫌い、また自分自身も死にたくないという気持ちが強い、生への執着が人一倍ある男でした。
 
もう誰も死なせたくないと気負ったり、壊滅した東京で必死に生存者を探そうとしたり、スミスが見出した通り、素の価値観がヒーロー然としているタイプなんですよね。
 ブレイバーン(スミス)はなんやかんやでその勇気を無理やり裸にして引き出し、その爆発の勢いのままにイサミはブレイバーンと一心同体となり、真のヒーローになった。まさに王道のヒーローアニメです。最高。

 オリジナルアニメをあーだこーだ言いながらリアルタイムで追う楽しみを思い出させてくれた、今期最高のアニメでした。
 せっかく魅力的なデザインのキャラクターたちがたくさんいるのに、1クールだと掘り下げが足りないなと思うところがどうしてもあったので、二期も期待しています。ホノカとかサタケ隊長とか、なかなか掘り甲斐がありそうじゃないですか?

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