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パーソナルトレーナーが解説する「マタニティエクササイズについて」

都立大学パーソナルジム「TRAINER‘S GYM(トレーナーズジム)」でパーソナルトレーナーをしております【西川 可奈子】がご紹介致します。
トレーニング初心者の方でも、数年間続けいている方も、妊娠しながら運動を続けることに不安を感じる方もいらっしゃると思います。
結論からお伝えすると、妊娠中のエクササイズは推奨されています。
今回は、妊娠中の運動【マタニティエクササイズ】のメリットや注意点、鍛えると良い筋肉群などご紹介していきます。


マタニティエクササイズとは?

妊娠中の運動不足を解消するために行われるエクササイズのことをマタニティエクササイズと言います。
日常生活で安静な行動をとることが求められて運動不足になりがちな妊婦のためのエクササイズです。
主なものは有酸素性運動の比率の大きい水泳やウォーキング、ヨガ、ピラティスなどがあります。
筋力トレーニングも、産婦人科医師の確認と十分な管理の下でトレーニングの種類や強度を慎重に選べば、妊娠中でも行うことができ、トレーニングによって得られる効果はとても大きいです。

マタニティエクササイズの効果

・妊婦としての身体的な不自由さや出産への不安からくるストレスの解消
・出産に必要な体力の維持や持久力の獲得
・急激な体重増加によって産道が狭くなったり妊娠中毒症なったりすることの予防
・胎児の成長に伴う血行不良・便秘・腰痛・肩こりなど妊娠期特有の不快感の緩和や解消
・心肺系や骨格筋系機能の発達
・産褥期の回復促進
・骨盤底筋群の機能不全や、妊娠による尿失禁などの予防

注意点は?


・まずはエクササイズを開始する前に医療機関に相談する。
・会話が継続できる程度の快適な強度でエクササイズを行い、いきみが入ったり、不快を感じる位置までのストレッチングは避ける。
・疲労感のある状態やオーバートレーニングは避けて、少なくとも1日15分間程度から始めて、徐々に30分まで増加させていく。
・少なくとも週に3日、できれはほぼ毎日続けると良い。
・トレーニングは複数回(12〜15回)繰り返すことのできる負荷で、大きな筋群を鍛えていく。
・妊娠初期(1〜3ヶ月)を過ぎたら仰向けのエクササイズを避ける。
・決して疲労困憊になるようなエクササイズは行わないようにする。
・十分な水分補給と、適切な服装、適切な環境を保ちエクササイズ時の体温上昇を最小限に抑える。
・妊娠6ヶ月以降は体のバランスや瞬発力の必要なトレーニングは避ける。妊娠中は関節が緩んでいるため動作はゆっくり丁寧に行う。

※妊娠性高血圧、破水、直近の妊娠時の早期分娩の経験、妊娠12週間後の継続的な出血、重大な心疾患や拘束性肺疾患、早産の可能性のある多胎妊娠、妊娠26週後においても胎盤が子宮頸管を覆っている状況の妊婦は運動が絶対禁忌となるため、エクササイズはできません。

ターゲットとなる筋肉

①骨盤底筋群
骨盤底筋群は骨盤、膀胱、子宮、小腸や直腸が下がってこないように支える筋肉群の総称です。鍛えることで妊娠中や出産後の尿もれ対策になり、産後の回復にも非常に役立ちます。
(例:ゲーゲル体操など)

②腹横筋
腹横筋とは、お腹をグルっと包むようについている深層の筋肉のため、コルセットのような役割を果たしています。姿勢の保持や腰痛予防のために腹横筋を鍛えることが推奨されています。
(例:キャットアンドカウ、呼吸エクササイズ(マタニティヨガ)など)

③大筋群
産中・産後の体力向上と回復促進のため大きな筋肉を中心に鍛えていくことも重要です。

終わりに

妊娠中は自分の体の異変を敏感に感じることが多いと思います。病気ではなく、赤ちゃんを産むための準備なので産後を見据えての体力保持や気分転換のためにトレーニングを始めてみるのはいかがでしょうか。
十分な体の観察とトレーニングの管理のできる、パーソナルトレーニングをぜひ活用してみてください。

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