坐禅会レポート

坐禅会なるものに参加してみた。最寄り駅に行く途中の建物の前に張り紙が貼ってあり気になっていた。
「瞑想(マインドフルネス)は集中力向上・睡眠の質向上・ストレス軽減効果などがある」とITやスタートアップとった意識高い系ビジネスパーソンを中心に市民権を獲得しつつある。
胡散臭い、鼻につくと小馬鹿にしていたが、SNSからそんな情報が入ってくる時点でだいぶ気になっている。平日は9〜12時までやっており、3月以降は参加が難しいので、斜に構えずに参加してみることにした。

2階建ての事務所のような外観の建物に入っていくと、参加者が名前を記載するボードだけ置いてあり誰もいない。ボードを見てみるとすでにひとり来ているようなので声をかけてみるが返事がない。
勝手に2階へ上がってみる。
15畳はありそうな畳敷空間の中央にストーブが置いてある。内壁は黒いクロスで電気は付いておらず、寺院の中のような薄暗い部屋。脇をみるとルンバが充電されている。現代的。朝日が差し込む窓の前に坐禅を組んでいる60代ほどの男性を発見。話しかけてみる。
とての物腰柔らかな話し方でいかにも坐禅をやっているような方だった。男性は3年近く坐禅会に通っているらしく、平日は和尚と2人で坐禅を組んでいるらしい。9時を少し過ぎた頃、和尚自転車にて到着。挨拶などもろもろ行い早速坐禅を組んでみる。

内容はというと、1回40分の坐禅をを4セット(2時間40分)行う。かなりハードである。40分という時間は坐禅用の線香1本が燃え尽きる時間のことで単位は「炷(ちゅう)」というらしい。
ただ座っているだけと思われるかもしれないが、足は痺れるし、正しい姿勢を維持するにはかなり筋肉を使う。和尚は坐禅を45年間毎朝4時40分から6時50分まで行い、平日は午前9時から12時までと午後6時30分から8時まで行っているという。狂気の沙汰ではない。凄すぎる。それに加え従業員120名近くの会社の代表をやっているという。ビジネスパーソンがこぞってやっている理由が少し分かった気がする。

参加して1日目だが1回目と4回目でかなり違いを感じる。
1回目はとにかく足が痺れてそのことで頭がいっぱいである。40分の坐禅が終わると部屋の中を1呼吸半歩で1周するのだがまともに歩けない。
2回目は姿勢に慣れたのか足の痺れはさほど気にならなくなった。代わりに肩周りの筋肉が痛い。普段いかに猫背なのかがわかる。
3回目は肩周りの痛みもさほど気にならなくらり、呼吸もだいぶ深く行えるようになった。代わりに急激な眠気に襲われる。ここの座禅会は警策(背中や肩を叩く棒)を与える者(直日)が居ないので、自分で耐えるしかない。
4回目は眠気の波も去ったが、今度はもも裏の圧迫が気になる。

はじめてしまえばあっという間に終わった坐禅で合ったが、初回で2時間40分も座っていたのは頑張った方ではないか。坐禅を組んでいるとき和尚が坐禅をする意味を説いてくれるのだが「過去の嫌なことなどを我々は掴んでしまうが目の前にそんなものはない。見ようとするという考えが間違えで”見えている”ものがすべて。坐禅はそれを教えてくれる」らしい。さらに「我々は意識が外へ外へと向かいがちで大切なものが”すでにここにある”ということを認識できない」という。坐禅の副次的な効能である集中力向上・睡眠の質向上・ストレス軽減効果などが何となく分かった気がする。
なにはともあれ継続。坐禅を通して心身の変化を記録していきたい。

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