臨床推論 Case20
Clin Med (Lond) 2021 Mar; 21(2): e239–e240.
PMID: 33762395
【症例】
74歳 女性
【既往】
喘息:ブデソニド吸入あり
【主訴】
腹痛 下痢 嘔吐
【経過・現症】
⚫︎ 2週間前から上記症状あり
⚫︎ バイタルは安定
⚫︎ 下腿浮腫あり
⚫︎ 腹部は軟、張っている、腸蠕動音低下している
⚫︎ WBC8100 CRP2.2mg/dL
⚫︎ HTLV-1陽性であった
⚫︎ 造影CTは以下の通り
What’s your diagnosis?
【診断】
HTLV-1感染と糞線虫症
【経過】
⚫︎ 胃管挿入して胃液を解析したところ糞線虫がみつかった
⚫︎ HTLV-1陽性での糞線虫による麻痺性イレウスの診断となった
⚫︎ イベルメクチン200μg/kg7日間で治療し改善した
【考察】
⚫︎ 糞線虫は何十年と腸管に住み続ける
⚫︎ 全世界で400million感染している
⚫︎ 免疫抑制状態(薬、高齢)やHTLV1が命に関わるようなhyperinfection syndromeをきたす
⚫︎ それによって麻痺性イレウスやグラム陰性菌敗血症をおこす
⚫︎糞線虫症の沖縄中部病院の報告が勉強になります
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7045830/
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