寒波と雪

昨日から今日にかけて10年に一度の大寒波が到来しているために、街の景色は一変していた。ところどころに雪が積もっており、街全体が白く装飾されたようになっている。
いつもは朝なかなか起きられない次男が1番に起きてきた。起きるや否や、外へと飛び出して行き、雪と戯れていた。
「パパ。昨日作ってた雪だるまが凍って取れない!」熱気を帯びた呼気で話す。
私が心踊るのだから、小学生の彼にとってはその何倍もの興奮を感じているのであろう。
学校までの僅かな時間を必死に一途に楽しんでいた。
私の方はと言うと、喜んでばかりもいられない。愛車の自転車で通勤するには地面のコンディションが悪過ぎる。バイクは転倒した時の事を考えると選択肢に入れる事は出来ない。
電車が消去法で選ばれたのだが、JRは運転を見合わせており、私鉄での通勤を余儀なくされた。私の職場の最寄り駅はJRであり、私鉄利用での通勤となると格段に遠くなってしまう。しみったれた話ではあるが、お金を掛けて時間を掛けて出勤することに、降雪の影響なので仕方ないのだがなんだかモヤモヤした気持ちになってしまった。
普段は自転車通勤で雨の日にごくたまに電車通勤をする私にとって、電車通勤かつ雪景色は最早異世界の光景であった。
比較的空いた車内でゆったりと座りながら外の景色を眺めることが出来たこともあり、乗車前に抱いた気持ちはすっかり影を潜めていた。目に映る全ての光景はいつもの景色を白く染めており、まるで雪国に旅行にでも行ったかの様な気持ちにさせてくれた。
ただの通勤が小旅行に。嬉しい誤算だ。また、凍った歩道を転ばないように歩幅小さく歩くことも普段では味わえない経験。憂鬱な始まりから考えると、なんとも充実の出勤となった。
ハプニングも捉え方次第。改めてそう思った。

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