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統合的複雑性とグループワーク:賢慮をもたらす方法論

社会的ジレンマにおけるグループ間関係に対するグループディスカッション統合の複雑さの影響

Effects of group-discussion integrative complexity on intergroup relations in a social dilemma


統合的複雑性というのはどれだけ物事を複眼的に深く捉えられるかというものなのですが、


この論文は、グループ間の対立に統合的複雑性がどのように影響するかについて調べたものです。

実験で用いられているのは囚人のジレンマゲームで、これはチーム間で協力すれば互いにwin-winになって利得が高まるのですが、争うと結果的に利得が低下するように設計されたゲームになります。

実験では被験者を二群に分け、片方には複数の観点を検討できるようなワークシートを配布し記入させた上で話し合いをさせ、

もう片方の群にはそのようなワークシートを積極的には推奨せず話し合いをさせています。

結果を述べると前者のほうが統合的複雑性が高く、囚人のジレンマゲームでも協調行動が増したものの、後者のほうが統合的複雑性が低く、囚人のジレンマゲームでの協調行動が低下したことが示されています。

グループでの話し合いでは話し合いの質を高められるような仕掛けがあると、話し合いの内容も統合的複雑性が高まり、よりよい意思決定ができるのかなと思いました。

Q: 囚人のジレンマゲームには知能が影響するのか?それともコミュニケーション能力が影響するのか?

明日目を通す論文:

より高い知性のグループは、繰り返される囚人のジレンマにおいてより高い協力率を持っている

Higher Intelligence Groups Have Higher Cooperation Rates in the Repeated Prisoner's Dilemma

https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2505361

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