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呼吸性洞性不整脈とメンタルの関係とは?

瞑想をすると自律神経が整うと言われていますが、医学的にも呼吸と心拍の間には密接な関連があることが知られています。心臓の動きは交感神経や副交感神経の影響を受け、早くなったり遅くなったりします。通常、吸気時には交感神経の働きが高まり、心拍は早くなります。また呼気時には副交感神経の活動が高まり、心拍は遅くなります。そのため心拍には自然と早い時と遅い時でのゆらぎが生じます。呼吸によって引き起こされるこのゆらぎは呼吸性洞性不整脈と呼ばれます。

またこの呼吸性洞性不整脈は、呼気時の心拍数と吸気時の心拍数の差として計算され、健康な人では15拍/分以上とされています。

今日取り上げる論文は、呼吸性洞性不整脈と精神疾患の関係について論じた総説論文になります。

呼吸性洞性不整脈:感情調節不全および精神病理学のトランス診断的バイオマーカー
Respiratory sinus arrhythmia: A transdiagnostic biomarker of emotion dysregulation and psychopathology

主な内容は以下になります。

・呼吸性洞性不整脈は精神疾患のバイオマーカーになりうる。

・不安障害、恐怖症、注意力障害、自閉症、冷静さの欠如、行動障害、抑うつ症状、自傷行為、パニック障害では一貫して呼吸性洞性不整脈の低下が見られる。

・呼吸性洞性不整脈の低下は前頭前野の機能不全と関連している。

瞑想をしていると吸気時に雑念が湧きやすい印象があるのですが、これは交感神経優位になるタイミングなのかなと思いました。

Q: 心拍変動の低周波成分には様々な要因が反映されているらしいが、その具体的なものを知りたい。

明日目を通す論文:
交感神経の心緊張の指標としての低周波心拍数変動の有用性:先行研究の再分析に重点を置いたレビュー
The utility of low frequency heart rate variability as an index of sympathetic cardiac tone: a review with emphasis on a reanalysis of previous studies

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