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アロスタティック負荷とその健康への影響

人間の体はなにか起こってももとに戻ろうとする働きがある。血圧が上がれば下がるし、怒り狂ってもいつかは気持ちも穏やかになる。こういった体の働きはホメオスタシス(恒常性)と呼ばれるが、これとは別に体の基本設定そのものを変えてしまうような仕組みがある。

例えば家庭に問題があり、常に神経を張っていなければいけないような環境で育つと、体はそれに適応しようとして交感神経優位な体質になる。また不健康な生活で、体に慢性的なストレスが加えられつづけても、やはり体はそれに適応しようとして、ストレス状態をベースラインとした体質に変化してしまう。

こういった慢性ストレスによる体の基本設定の変化はアロスタシスと呼ばれるが、今回取り上げる論文は、このアロスタシスの程度を示すアロスタティック負荷と様々な疾患、生活状態についてのレビュー論文。

アロスタティック負荷とその健康への影響: 系統的レビュー
Allostatic load and its impact on health: a systematic review

この論文によると社会生活的背景はアロスタティック負荷に影響を及ぼし、貧困、人種差別、低い教育水準、自営業、被虐待歴などはアロスタティック負荷が高くなること、

生活習慣では、不眠や運動不足、喫煙、アルコール摂取、不健康な食事などが関係すること、

多くの疾患(心血管疾患、ガン、精神疾患、整形外科疾患)がアロスタティック負荷の増大と関係すること、

またアロスタティック負荷の測定指標には、コルチゾール、DHEA、エピネフリン、ノルエピネフリン、コレステロール、血糖値、血圧、BMI、ウエスト-ヒップ比などがある

とのこと。

Q: アロスタティック負荷を下げる方法はないものか?

明日読む論文:
Reducing Allostatic Load in Depression and Anxiety Disorders: Physical Activity and Yoga Practice as Add-On Therapies
うつ病や不安障害におけるアロスタティック負荷の軽減:追加療法としての身体活動とヨガの練習

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