Yohei  Sato
複雑系から考える躁うつ病
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複雑系から考える躁うつ病

Yohei  Sato

人間の運動活動振幅のスケーリング行動:双極性障害との関連

Scaling Behavior of Human Locomotor Activity Amplitude: Association with Bipolar Disorder

人間誰しも気分の浮き沈みがあるけれど、躁うつ病だとその幅が大分大きくなるらしい。

一般に気分の浮き沈みには体内時計の制御にかかわる視交叉上核が関係していて、躁うつ病ではこの領域がうまく働いていないこと、

また視交叉上核の機能変調は、体の動きを測定するアクチグラフ(手首に巻いて体の動きを測るもの)に反映されることがわかっている。

この研究ではアクチグラフから得られたデータを使って躁うつ病を判定できるかについて調べている。

ではアクチグラフのなにを見るか?という点だが、

一般に物事のはスケール不変性というものがあることが知られている。

これは株価の変動でいえば、一日の中で見られる変動のリズム(上がったり下がったりのパターン)は1ヶ月でも1年でも、10年でも、尺を変えても同じような上がり下がりのパターンが見られることを意味している。

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この研究ではアクチグラフから得られたスケール不変性を基準にして、躁うつ病のリスクが高いかどうかを判定している。

もうちょっと具体的に言えば、スケール不変性が低いほど躁うつ病の可能性が高いのでは、という仮説に立って調べている。

結果を述べると、アクチグラフのスケール不変性を基準として躁うつ病との関連を調べると、たしかにスケール不変性が低いほど躁症状である可能性が高くなるが、うつ症状は反映されなかったとのこと。

Q: 視交叉上核がどんな仕組みで気分の浮き沈みと関係するのか?

明日目を通す論文:

気分障害における概日リズム障害:視交叉上核の役割への洞察

Circadian rhythm disturbances in mood disorders: insights into the role of the suprachiasmatic nucleus

https://www.hindawi.com/journals/np/2017/1504507/

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Yohei  Sato
オフィスワンダリングマインド代表。脳科学・心理学に関するコンサルティング業務を行う傍ら、大学院で脳科学の研究をしています。趣味は人間観察と考えること全般。執筆依頼はオフィスワンダリングマインド:https://what-is-man.me