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環境要因が遺伝子をどのように変えるのか?

やらなきゃよかった大賞があるとしたら、その筆頭に来るのがタバコだろう。タバコを吸っていたのは10年ほどだが、それでもちょっと風邪をこじらせると咳喘息になってしまう体質になってしまった。今日現在もちょっとした寒気にやられて咳がコンコンと出る。

タバコに限らず、様々な環境要因で体質が変わってしまうことがあり、これはエピジェネティクスと呼ばれる。今回取り上げる論文は、環境要因とエピジェネティクスの関係についての総説論文。

環境エピジェネティクス:曝露と反応関係のエピジェネティックな媒介の研究の展望
Environmental epigenetics: prospects for studying epigenetic mediation of exposure–response relationships

エピジェネティクスとは、何らかの要因によって遺伝子が変わってしまう現象である。とはいってもガラリと変わるわけではない。ギュウギュウに折りたたまれた遺伝子の一部分がほんのちょっと形を変えるような変化である。

環境汚染やタバコなどの影響によってこのエピジェネティクスな変化が引き起こされ、様々な疾患リスクが高まるとのこと。

原因になるものとしては、
・環境汚染
・鉛
・タバコ
・ベンゼン
・酸化ストレス
・飢餓
・生殖補助技術

があり、引き起こされる疾患としては
・心血管疾患
・高血圧症
・糖尿病
・不妊症
・喘息
・癌
・アルツハイマー病
・自閉症
・統合失調症

などなど多岐にわたると。

また、環境によって影響を受けやすい期間としては、
・胎生期
・幼少期

があると。

ただ、幸いこの遺伝子変化は可逆的であり、出生後の介入により、修正しうることが述べられている。

Q: エピジェネティックな変化を可逆的に修正する方法としてどのようなものがあるのだろうか?

明日読む論文:
CD8 + T 細胞分化のエピジェネティックな制御
Epigenetic control of CD8+ T cell differentiation

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