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サイコパスは何で割り引くのか?

世の中には勝ち組サイコパスと負け組サイコパスがいるという。

勝ち組サイコパスは外科医や政治家、経営者に多く、負け組サイコパスは犯罪者に多いともいうが、共に大胆な行動を取るという点では共通している。

しかし、彼らの大胆な行動はどのような種類のものなのだろうか。

ある研究によると、サイコパスは確率割引が低いという。

確率割引というのは、不確定なものを割り引いて感じる心理傾向のことだ。当たるか当たらないかわからない企画や商品には二の足を踏んでしまうことが多いが、これは結果が不確定だからである。うまいかまずいか分からないようなものは、よほど安くないと買おうという気にならない。

ところがサイコパスは、そうではない。

普通に人が割り引いて感じるところをさほど割り引かない。つまり成功の可能性を人より高く見積もり、失敗の可能性を低く見積もるため、勇猛果敢に勝負に出る傾向があるとのこと。

また割引行動には時間割引もある。これは、手に入れられるのが先のものほど価値を目減りして感じてしまう心理だが、サイコパスはこの点については、一般人同様だとも示されている。

つまり、サイコパスが大胆なのはリスクを軽視し、成功可能性を過大視するからということになる。

とはいえ、一般人の脳は、リスクを必要以上に過大視するようにできているので、サイコパス程度のリスク認識が実は妥当なのかもしれない(100年に一度の危機には弱いのだろうが)。

私自身は大分ビビリであるが、100年に一度の危機に備えたうえで、サイコパスなみにリスクを取ったほうがいいのかなとも思うのだが、どうだろう。

Takahashi, T., Takagishi, H., Nishinaka, H., Makino, T., & Fukui, H. (2014). Neuroeconomics of psychopathy: risk taking in probability discounting of gain and loss predicts psychopathy. Neuro endocrinology letters, 35(6), 510–517.

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