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複雑性悲嘆に対する認知行動療法の効果とは?

愛する人を失った場合、悲嘆反応が生じるが、およそ10人に1人は長期に渡り悲嘆反応が続くことがある。このような状態は臨床的には複雑性悲嘆と呼ばれるが、今回取り上げる論文は、複雑性悲嘆に対する治療アプローチについての総説論文。

複雑な悲しみの治療:科学の現状と今後の方向性
Treatment for complicated grief: state of the science and ways forward

内容をまとめると

・心理学的介入全般については明確な効果は認められない。
・しかし複雑性悲嘆に特化した認知行動療法については中等度の効果が認められる。
・複雑性悲嘆に特化した認知行動療法では、以下の内容が行われる。
  ー喪失についての一貫した意味のある自伝的な物語を作成する
  ー認知的再構成を通して否定的な信念および破局的な誤った解釈に挑戦  
   する
  ー暴露技術を通して喪失の回避された側面(例えば、場所、物体、記憶)
   を有する人と徐々に向き合う
  ー新たな人生目標を設定し、新たな意味のある活動に取り組むことを支
   援する。
・複雑性悲嘆に対する認知行動療法において、臨床的に有効と認められる程度まで改善する人は半数以下。

Q: 複雑性悲嘆と宗教の関係について知りたい

明日読む論文:
複雑性悲嘆症候群および複雑性悲嘆障害を持つ母親の精神的耐久力に対するスピリチュアル宗教介入の効果
Effects ofSpiritual-Religion Interventions on Complicated Grief Syndrome and Psychological Hardiness of Mothers with Complicated Grief Disorder

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