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老化細胞(ゾンビ細胞)の除去で脳の老化に抗える?

エジプトのファラオや秦の始皇帝が望んだように不老不死というのは人類の普遍的な願いかもしれないが、これを叶える方法はあるのだろうか。

今回取り上げる論文は、老化の抑制を試みた動物実験についてのものである。

脳の老化と認知機能低下に対する末梢細胞老化の影響
Effect of peripheral cellular senescence on brain aging and cognitive decline

一般に人も動物も加齢に伴い体調を崩しやすくなるが、この原因として老化細胞の存在がある。

老化細胞というのは細胞が生まれ変わりを繰り返す中で、エラー発生による癌化を防ぐために生じるものである。通常であれば、細胞は生まれてから一定期間でアポトーシス(自然プログラム死)が生じるが、一部の細胞は死なずにそのまま生き残る。そしてその老化細胞からは老化関連分泌表現型(SASP)と呼ばれる物質が放出され、老化に関連する炎症症状などを引き起こす。

この研究では、老化細胞のアポトーシスを誘導するいくつかの薬剤を高齢マウスに与えることで、認知機能がどのように変化するかについて調査している。

結果としては、老化細胞のアポトーシスを促す薬剤と投与することで体内の炎症傾向が軽減し、認知機能の低下も抑制できたとのこと。

Q: この研究では抗がん剤などを使って老化細胞のアポトーシスを促しているが、もっとカジュアルな方法はないのだろうか。

明日目を通す論文:
SIRT1 はエピジェネティックな遺伝子制御を通じて老化に関連する分泌表現型を抑制する
SIRT1 suppresses the senescence-associated secretory phenotype through epigenetic gene regulation



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