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長寿遺伝子が老化促進物質を抑制する?

最近、無理が効かなくなってきた。ちょっと無理をするととたんに体調を崩して生産性がガタ落ちしてしまう。考えてみれば今年で年齢も49歳、そろそろ初老と呼ばれる年代になってきているのだから、しょうがないといえばしょうがない。しかし老化はどのような仕組みで起こるのだろうか。

老化の原因の一つに老化細胞があることが知られている。通常であれば体の細胞は寿命が決まっていて、一定の時間が経つと自然と死ぬことになっている。しかし加齢とともに、いくつかの細胞は自然と死ぬことなく、ゾンビのようにずっと生き延び、老化を加速する物質を放出することになる。これらの老化促進物質は老化関連分泌表現型(SASP)と呼ばれており、癌や腫瘍、高血圧などの症状を引き起こすことになる。

今回取り上げる論文は、どのような遺伝子が老化細胞の老化関連物質表現型の放出をコントロールしているかについて調査したもの。

SIRT1 はエピジェネティックな遺伝子制御を通じて老化に関連する分泌表現型を抑制する
SIRT1 suppresses the senescence-associated secretory phenotype through epigenetic gene regulation

この研究では、マウスを対象に長寿遺伝子としてしられるSIRT1の発現をコントロールし、老化関連物質表現型との関連を探っている。

結果を端的に示すと

・SIRT1は老化細胞による老化関連物質表現型の産生を抑制している。
・加齢に伴い、細胞内でのSIRT1の発現が低下し、その結果、老化関連物質表現型が産生されることになる。
・老化関連物質の増大によって慢性炎症状態が引き起こされ、そのことが加齢関連疾患の増大につながっていく。

とのこと。

Q: SART1はサーチュン遺伝子としてしられているが、サウナや断食や運動のような軽めのストレスで発現できるような話を聞いたことがある。裏を取りたい。

明日読む論文:
脱アセチル化酵素SIRT1による熱ショック因子1のストレス誘導性調節
Stress-inducible regulation of heat shock factor 1 by the deacetylase SIRT1


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