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落単、それは己の怠惰

 本当に努力ができない。

好きなことしかできない。好きなことさえ、気持ちが乗っている時しかできない。

大学一年。前期。すでに5単位を落とそうとしている。こうやって書いているだけで死にたくなってくる。

だからといって心機一転頑張れるほど純粋な人間になれない。
落としそうな金曜五限の時間、全然普通にバイトを入れている。木曜だったら頑張れば午前中にシフトを入れて早く家に帰れるという最高の1日が作れるのだが、Aと会える唯一の木曜四限があるため、自分の体を疲れさせたくないというわがままによりバイトを入れていない。

「死にてえ!!」とは言うけれど、どちらかといえば「誰か殺してくれ〜!!」の気持ちの方が強い。いつだって怠惰は受動的だ。

こうして自分を曝け出すことで許されようとしている。謝れないから、誰か私を終わらせてくれと叫んでいる。誤ってばかりだ。

どうしてこんなふうになっちゃったんだろう、と考えてみると思い当たるものがいくつかある。元来私は真面目だった。共働きで誰が監視しているわけでもないのに私は宿題を先に終わらせて、それから友達の家に行って遊び、両親が帰ってきたらピアノの練習をする。
それだけ真面目なのに、片付けができない。それだけ真面目なのに、言われたことを覚えていられない。それだけ真面目なのに、愛想がない。それだけ真面目なのに、すぐ手が出てしまう。それだけ真面目なのに。

思えば、そんなギャップを埋めるために私は「楽」を覚えていったのかもしれない。そしてその空いた時間で、今までの生真面目な堅苦しさから逃げるように創作の世界へ足を踏み入れた。小説だけが私を救った。
怠惰なフリをしていたはずが、いつしか本物の怠惰になった。

とまあ他責的に自責をしたが、結局人も水も低い方に流れていくように、ただ高みへ止まる努力を怠った結果、今こんなダメ人間になってしまったというだけの話だろう。
愛着関係の歪みだとか、捻くれた価値観だとか、私だけのせいじゃないものもあるにはある。しかし、「じゃあどうすべきか?」という内外からの問いかけに対して私は考えうる限り最悪の行動で答え続けている。
つまり全部私が悪い。マジで。

You play with the cards you’re dealt …whatever that means.
配られたカードで勝負するしかないのさ…..それがどういう意味であれ。

ピーナッツより引用

配られたカードは中々強いものだろう、と手元を見て思う。少なくとも平均以上のものばかりが目の前に広がっている。
芸術系の大学に平均的な額の奨学金のみで行けるほどの実家の財力。私と比較され貶される親戚。回転の早い頭。思考を置いていく口。持って生まれた知的好奇心。

それを「怠惰」というたった一枚の、人によっては無視できるほどのカードで台無しにしている。

欲しかったらくれてやるよ。もっと良く使ってくれ。



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