蛇腹楽器のABC~アコーディオン編
アコーディオンとひと言にいっても、よ~く見るとピアノのような鍵盤がついていたりそうでなかったり、ボタンの数も多かったり少なかったり、色々な種類があります。今回はアコーディオンをざっくり分類してみたいと思います。まずは抱えた時に右手側にくる鍵盤部に注目してみてください。
ピアノ式鍵盤アコーディオン
ピアノ式鍵盤(押引同音)
こちらは一番よく見かけるアコーディオンかなと思います。日本のアコーディオンの9割以上を占めるピアノ式アコーディオン。ですが最近はボタン式を始める若い層が増えてきたので、将来この割合も変わっていくのかも知れません。「鍵盤アコーディオン」とか「ピアノアコーディオン」といわれたらこのタイプのことを指しています。
ボタン式アコーディオン
クロマチック式(押引同音)
人気姉妹デュオ、チャラン・ポ・ランタンの小春さんが使用されていることで有名なボタンアコーディオンですね。YouTubeチャンネル蛇腹談義で話題沸騰、元々のファンだけでなくアコーディオンに興味を持つ多くの方からも大人気の若手アコーディオン奏者さんです。
彼女が使っている楽器は「クロマチックボタンアコーディオン」です。蛇腹の押引は同音です。日本で流通するほとんどのボタン式アコは「Cシステム」という、外側から内側に向かって半音階に並ぶものがほとんどですが、世界にはバヤン(Bシステム)という、Cシステムと逆の配列のものもあります。白いボタンと黒いボタンの配列ももちろん逆なので遠くから見ても違いがわかります。(左手側に関しては、スタンダードベースやらフリーベースやら色々あるんですが・・・、それはまた別の機会にまとめることにします。)
ダイアトニック式(押引異音)
日本に流通しているダイアトニック式アコ―ディオンとしてはこのようなものがあります。右手側も左手側もボタンが付いていますが、左右どちらも押引異音です。シュタイリッシュハーモニカ(ドイツ式ハーモニカ)とも呼ばれ、まさにハーモニカのように調子ごとにボタンが配列されています。押し引きで違う音が発音される点は、ハーモニカの吹き吸いに置き換えるとイメージしやすいかと思います。クロマチック式に比べてリード数が半分で済むので、音域の広さにもよりますが全体的に小ぶりなものが多いです。
左右ミックスなんてものも
右手・ダイアトニック式/左手・クロマチック式
シュビッツァーエルゲリ(オルゲリ):スイスアコーディオン
右手・クロマチック式/左手・ダイアトニック式
ウィーナーシュランメルハーモニカなど。これは私は実物を見たことがありません。
ピアノ式鍵盤で押引異音
ピアノ式鍵盤のついたアコで、蛇腹の押し引きによって異なる音が鳴るというのはほとんどなく、存在したとしてもごくごくまれのようです。(例:ブトンのアコーディオン)
こちらの渡辺芳也さん著 「アコーディオンの本」を参考にさせていただきました。すでに絶版となってしまった貴重な資料です。
最後に
今回はアコーディオンの種類について解説してみました。日本に流通するアコーディオンは、今回掲載した写真以外のメーカー以外にも色んな種類があります。今まで私が見てきたアコーディオンを集めたマガジンもございますので、是非こちらもご覧下さい♪
最初は文字情報だけではピンと来ないかと思いますが、実際に楽器を見たり触ったりしたあと、この記事を読み返すとまた違った目線での気づきがあるかなと思います。ご興味ある方は是非、実際に触ってみてその面白さを実感してくださいね!
では、また!