聲の形
映画館で1回。
テレビで1回。
計2回視聴。
映画館で見たときは、あらすじも原作も分からないまま、ただの高校生の青春恋愛映画だと思って観に行ったら裏切られた。
始終号泣。
重くて思くて、帰りは無言だった。
2回目は録画を今視聴。
内容をうっすら覚えていたから、話の筋より登場人物の表情とか音楽とか手話とかに注目して観た。
※以下ネタバレあり。
導入部分で、石田が自殺する為に、あらゆる物を売り払い、捨て去るシーンから始まる。
そこで私は、あぁ何か過去に辛いことがあって、死のうとしてるんだ。って思った。
私も過去に同じことをしたから。
夜中に自室のすべてのモノを、ゴミ袋に突っ込んで玄関まで泣きながら運んでいた。
家族に見られていたけど、どうしようもなかった。
死ぬ気でいたから。
石田は、母に返した170万を見せられて、死ぬつもりだったでしょう?!と詰めよやれる。
石田母の鬼気迫るものを感じて、反省したようで土下座して謝った。
その後、回想に入る。
小学生の頃、石田は西宮という女の子を虐めていた。
理由は、耳が聞こえないから。
ある日、西宮の補聴器を強引に奪い取り、耳を傷つけてしまう。
石田と西宮の母同士の会話で
娘が耳を切られたお返しに、石田母のピアスを引きちぎる描写がキツかった。
その後、担任の先生が、石田を西宮を虐めた犯人に仕立て上げ、逆に石田がイジメられる。
それが、冒頭の自殺シーンに繋がる。
※
その後は高校生(回想終了)に戻り、石田は西宮と再会し、関係の再構築を図る。
※
川井という女の子がいる。
彼女は主犯格のサブリーダー的存在で、虐めは積極的にしていない。
軽く「やめなよー」ぐらいしか言わない。
でも、虐めは止めない。
周囲と同調する。
自分可愛さのあまり、分が悪くなると私のせいじゃないと泣き出す。
自分は虐めていない、むしろ止めに入っていたと信じて疑わない人。
この、川井という女の子は、普通に描かれている。
そう、自分、私のこと。
※
なおちゃん、という女の子がいる。
この子は、女子の主犯格。
高校生になった今も、西宮のことが、嫌い。
潔いのかわからないけど、思ったことは直接本人に言う。
「嫌い」とか
遊園地の観覧車に、西宮と二人で乗るシーンがある。
そこで、腹割って話しましょう。となおちゃんは言う。
それに対して、筆談しようとメモ帳を渡す西宮。
が、それを突っぱねる。
「あなたが分かりやすいように、ゆっくり話すからそんなものいらない」と。
なおちゃんはそんな言葉裏腹に、早口で話す。
本当に理解させるつもりあるの?
観てる私はそう思った。
なおちゃんは、自分と違う人を
わかりやすく違う人を、嫌いと罵り虐めた。
視野が狭すぎると思った。
子どもだからこその残酷性?
ラストシーンで、手話で「バーカ」と西宮に伝えた。
それをみて、ようやく歩み寄ろうと思えたのかと、思えた。
※
真柴くんという、高校のクラスメイトの男の子がいる。
映画だけでは分からない、原作に詳しく描写してあるのかもしれない。
彼は、何というかよくわからなかった。
自身が虐められていから、石田に「虐めるやつは許さない」と言い放ったように聞こえる。
部外者でよく知りもしないのに、「最低」なんて言ってほしくなかった。
でも、この言葉が途中から石田を、知った人の評価なんじゃないかな?
※
長束という、高校のクラスメイトがいる。
彼は石田のことを、ビックフレンドと呼ぶ。
親友気取りの痛いやつ。
でも、そのお節介さが石田を救う。
私も当時、そんな友達がいたら人生ましだったかも?
今改めてみたら、ただただウザいだけだった。
私の感性が変わってしまった。
ショックだ。
※
ゆずるという、西宮の妹がいる。
この子が1番好感を持てた。
お姉ちゃんが死なないように、いつも一緒に居て守っている。
とても頼もしい子。
でも、自分のことは後回しで、ゆずる自身も不登校。
そんなゆずるは、おばあちゃんが見守ってくれていた。
「ちゃんと見てるよ。」って言うのが伝わってきた、あの梅ジュースのシーンは、ジーンときた。
だから、亡くなったときは、これからは誰がゆずるのこと理解してくれるのだろうかと心配してしまった。
※
石田が西宮を助けるために、代わりにマンションから落ちたとき、意識が戻らなくて、バラバラになった仲間をまた集めようと奔走するシーン。
なんで、あそこまでできるのか私にも理解できなかったよ。
さはらという元クラスメートも、臆病で逃げたと言っていた。
5年立っても変わらなかったって。
そこまで強く引きつける思いは、私にはない。
だから、私はさはらだ。
※
コミュニケーション
その問題が、浮き彫りになっている作品。
人と違う。
かつて虐めていた人は、やり直す機会も与えられない。
虐めていた人と仲良くなるのは、自己マンの偽善者。
虐めていたから、今も今後も笑う資格はない。
生きていてもダメだ。
でも、イジメられていた当の本人、西宮が
仲良くなりたいと石田に手を差し伸ばす。
ずっと笑顔でいる。
結局はそこなのかなと。
西宮は、耳が聞こえないというハンデがあるから、自己防衛のために笑顔でいることと、すぐ謝ることをしている。
何が言いたいのか分からなくなったけど
想像力を持って相手に接しないといけないのかなと。
だかは、最後のシーンは
皆がみんな、お互いの立場に立って足並が揃ったように見えた。
きっとここから、また再スタートされるのだと思う。
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