見出し画像

ケープ・ジャスミン

2021年10月6日、7日の2日間に行われた

『Cape jasmine(ケープ・ジャスミン)』(全3公演)本編:約1時間25分

画像5

作・演出・企画:根本宗子 音楽:小春(チャラン・ポ・ランタン)演奏:カンカンバルカン楽団 出演:横山由依(AKB48)中山莉子(私立恵比寿中学)江上敬子(ニッチェ)あっこゴリラ、もも(チャラン・ポ・ランタン)根本宗子、riko

有観客での公演は、2020年1月29日~2月2日にかけて行われた『超、Maria』以来であると記憶している。(間違っていたらゴメンナサイ)      

根本さんの充電期間(約1年間)も含め、およそ1年8ヶ月も経過。日程が迫ってくると、「有観客で観れる喜び」と「良い意味での緊張」を感じていた。

まず、今回のキャストの名前の中に、あの人の名前を見つけた時。純粋に嬉しかった。そして同時に、どんな役どころなのか?とか、ステージ上での演技を観れる事が楽しみでしかなかった。その人は横山由依さん。

昔から、一生懸命に活動している姿を見ていて純粋に応援していた方。推しというとおこがましいかも知れないけれど。根本さんの作品に推しの人が出ていただける嬉しさは言葉には代えがたい。ありがとうございます。

(舞台観劇を初めて)数十年も生活の中には浸透している様なコアなファンの様に「舞台とはこれだ!」というような定義はないけれど。今の自分は、観劇したら終わりではなく、終演後のエピローグを楽しめる様な舞台作品を求めているのだと思う。観劇後に自分なりの解釈をつけていく事。そして、あくまでも自分なりの答え合わせをする事が、満たされる瞬間なのだなぁと改めて思いました。

【今回のストーリー(あらすじ)】演出家不在となった新作ミュージカル。せめてもと、記者会見のスタイルで楽曲だけを順に披露することとなった女優の6人の物語。現れる7人目の人物の存在とは。(公式HPより)

(初日の観劇後)作品に対しての感情を自分なりに咀嚼していた時に、ふと頭によぎったのです。タイトル「Cape jasmine(ケープ・ジャスミン)」の由来がヒントになるのでは?

夜な夜なケープジャスミンを調べてみたところ。クチナシの香りから英語では「Cape jasmine(ケープ・ジャスミン)」と呼ばれており、そのクチナシの花言葉は「私は幸せです」「喜びを運ぶ」と言われています。その言葉が目に入った時、フッと心に灯がともりました。

【各キャストの舞台の衣装について】それぞれのアイテムが添えられていた。根本さんの舞台衣装を、数々手掛けている縷縷夢兎さん。縷縷夢兎さんがキャスト毎に添えられていた花と花言葉/言い伝えがインスタストーリーで投稿された内容です。

根本宗子さん:クチナシ(花言葉:とても幸せです/言い伝え:天国に咲く花)横山由依さん:黒い蝶(意味:死と再生・転機/言い伝え:ブラックウィッチ<魔女の化身>)中山莉子さん:白百合(花言葉:無邪気、純潔、甘美/言い伝え:悩みのシンボル)ももさん:カーネーション(花言葉:あなたへの愛は生きてる)あっこゴリラさん:アンスリウム(花言葉:熱心・無垢な心)江上敬子さん:デンファレ(花言葉:有能、わがままな美人)riko:ネリネ(花言葉:また会う日を楽しみに・忍耐)

横山さんの妄想の中という事が終盤に発覚。それを振り返ると伏線がやはり散りばめられていた様に感じました。横山さんは黒い蝶(死と再生・転機)意味するとすれば、転機(未来)の妄想が示すもの(構図)は何なのか?そして、横山さん(死と再生・転機)は、rikoさん(ネリネ/また会う日を楽しみに・忍耐)は、一心同体であると解釈。そして、横山さんの妄想の中という事であれば、死と再生を擬人化していると解釈をすると(死と再生していく中で)発生する様々な感情を各キャスト(根本さん・江上さん・中山さん・あっこゴリラさん・ももさん)で、表現(体現)していたのではないかと思いました。

そしてキャストの記者会見の座席には、前張りがされている。しかし、演出家の名前は白紙。そしてそこにはrikoさんが座っていた。横山さん(死と再生・転機)とrikoさん(また会う日を楽しみに・忍耐)常に隣にいたのは、この世の中の状況を耐え忍び、共に横山さん(再生・転機)を待っている、今の世の中を表していたように思えた。

世の中の不安や葛藤(スタッフ)に対して、横山さん(死と再生・転機)が寄り添うという事は、「不安や葛藤を再生させ、転機を呼び込む」という解釈をしている。ラストカーテンが降りきる直前に、rikoさん(忍耐)が、二人の後ろで、ゆっくりと崩れ、うなだれるので。そこは(忍耐との)別れを意味しているのではないかとも考えました。

「不安や葛藤が、死と再生を経て転機を迎える。そして忍耐からの解放。そして、また会える日を楽しみに…。」と自分は解釈しました。

演出家とは、何を、誰を、意味しているのか?rikoさんが7人目なのか?
(7人目は、rikoさんと思う人が多いと思う)個人的には、7人目はrikoさんではなく、ラストシーンに出てくるスタッフ(根本宗子さん)が7人目であると考えていた。スタッフは、普段の些細な日々の生活に対して不安や恐怖を訴えるのである。自分は、世の中の人々の心にある不安・葛藤を擬人化していたのではないかと思う。少し考えすぎかも知れないけど。

この作品で個人的に最高に好きなシーンがある。それは、横山さんに自分の不安を説明するスタッフ。そのスタッフへ「長くはないかも知れないけれど…言葉がない時間を一緒に過ごしませんか?」とスタッフに手を差し伸べる。そして、舞台の背景に流れるエンドロールを二人並んで眺めている。その途中で、スタッフの肩に横山さんが寄り添うのである。その周りをrikoさんが踊り続ける。エンドロールが終了したら、幕が降りて終演。

この三人にシルエットが絶妙。目の奥に焼き付けた大好きな瞬間でした。

そして、あの現れたスタッフは、ポジティブな存在なのか?それとも、ネガティブな存在なのか?舞台を観ている人の心の中に宿っているものによって、受け取り方は異なるのだろうなぁと思う。脚本の妙だなと思いました。

脈絡のない長文になってしまいましたが、読んでいただきましてありがとうございます。

最後に…

ねもさんの作る『寄り添ってくれる演劇』は、

何よりも偉大です!これからも応援していきます!

いつもありがとうございます!

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?