TOEIC玉砕日記
時は、去年の秋くらいにまで遡ります。
「大学院に行って、興味のある分野について突き詰めたいなぁ」
シャワーを浴びていた時に、水滴とともに私の中にひゅーっと降ってきた日がありました。思い立ったが吉日、その日からゆるゆると情報収集を進めていました。
すると、大学院に進学するためには、いわゆるセンター試験(今は大学入学共通テストと言うんですね…)で必要な主要5科目ではないことが分かりました。
「苦手な数学や理科が無い!!!」
耳より情報を知れた喜びも束の間、各大学院の受験項目の中に『英語』の2文字が燦然と煌めいていたのでした。
グローバリゼーション、VUCAの時代、アメリカ一強と、ニュースで見聞きするそれらしい単語が頭をよぎりました。
大学院で研究活動をするという面において、あらゆる物事を広い視野で捉えたり、より最新の情報を仕入れたり、考えたことについて意見を戦わせたりする上で、もはや英語は第二言語ではないのかもしれない。むしろ人種や思想の垣根を越えるための通行手形であり、これまでの世界に無かった理論や発見を生み出す上での必須スキルであると理解しました。
とは言え、数学と理科に匹敵するほど英語にも苦手意識を持っていたのも事実(逆に何が得意なんだと…)。しかし、学生生活から今日までの社会人生活を振り返って、英語が読めない、聞けない、話せない、書けないからといって特に不自由に感じたことはありませんでした。
苦手は苦手のままにしているくせに「いつか話せたら良いなぁ」という憧れの科目として昇華してしまっている、私にとってタチの悪い科目でした。
入試にはTOEICのスコアが必要ということが分かり、早速TOEIC対策を始めることにしました。
ちなみにTOEICの受験機会は過去に1回のみ。大学に入学した後に、英語のクラスを割り振ることを目的とした大学側が用意してくれたものでした。
その時のスコアは確か365点だったはずで、その時の記憶がうっすらと蘇ってきました。
それから約7年の時を経て、初めて内発的に英語に取り組もうと意を決したわけですが、とりあえず今の自分の現在地を知るために、試しに受験してみることに(2023年10月の試験だったはず)。
『325点』
結果は分かりきっていましたが、それでも少し落ち込みました。
今振り返っても「あの時もこんな感じだったなぁ、それで眠たくなっちゃったんだっけ」と学生時代を回顧しながら玉砕した記憶しか残っていません。
大学院に進学するために必要なスコアは正確には知り得ていませんが、リサーチする限り800点以上取得しておけば何とかなるそう。
現在地と目標とのGAPが約500点、英語初心者がTOEICスコア800点を取得するまでに必要な勉強時間は約1000時間。
先が思いやられました。
それでも不思議なことに、今回ばかりは何故か諦めたくなくて、一晩寝たら「逆に何もしなくても300点は取れるんや、イケる!」という謎の自信も付いてきたので、やれるだけやってみることにしました。
実家のクローゼットから中学校の時に使っていた参考書と単語帳を引っ張り出すところから始め、さらーっと流し読み。
一通り中学英語をおさらいしたところで、TOEIC対策に特化した参考書を一式揃え、どの順番で使ったら良いのかをYouTubeの動画を漁って研究しました。
2023年11月から2024年2月までの期間で、自分の日常の中に英語学習という異質な習慣を徐々に侵食させていきました。
2024年1発目の試験が3月だったのですが、約4ヶ月間の結果やいかに…!
『420点』
約4ヶ月の勉強期間で100点弱スコアアップしたわけですが、勉強時間の合計は約45時間でした。日平均に直すと1日平均30分にも満たない程度でした。
”一式揃える”や”戦略を練る”ところまでは学生の時もできたのですが、ここから”継続する”というのが私にとっての課題です。
特に苦手意識を持った英語に関しては、いきなりフルスロットルで「1日3時間勉強するぞ、うぉーーー!」とはならなかったので、病み上がりにお粥を食べるように、少しずつ慣らしていく生活をしました。
休日などの時間がある日や、自分なりに何かを理解できた日は「もう少し頑張ろうかな」という気になるので、そこは気分に合わせながら調整していました。
少し話は逸れますが、勉強期間中、私の尊敬する鈴木一朗氏(以下、イチロー選手と記載します)の「50%の100%を出せよ」という言葉に出会いました。
「私は練習にかける熱量がその日の気分によって変わります。何事にもコツコツと続けて成長したいのに、休憩を長くとって、ちょっとした成長できなかったの繰り返しで、この現状を変えたいと常に思っています」
イチローPOSTに寄せられたどこかの誰かのお悩みですが、この質問に対してイチロー選手は次のように回答しました。
「いま出せる力の100%を出す」ということなのですが、本当にハッとしました。
確かに自分も頑張れる日もあれば、頑張れない日もあったりして、そんな時に決まって「そういう日もあるよね」と半ば諦めてしまいがちでした。社会人という立場に乗じて、やれ「仕事が〜」とか、やれ「人付き合いが〜」とかを理由に、結局翌日以降に持ち越してしまうんですよね。
今はとにかく英語に触れない日を無くすことだけを意図しており、1日平均20~30分程度かもしれませんが、やらないよりやった方が良いだろうと、それができる自分偉いじゃないかと、少し肯定できてしまうのも体感としてありました。
世間的に言えば『TOEICスコア420点』という結果は、玉砕の部類に入るのかもしれませんが、単なる結果追求だったはずが、振り返ると意外と気付きがあったりして、総じて見れば良い時間を過ごせていると感じています。
とは言え、結果は出したい!!!
個人的にはまず、500点をスタンダードに取れるようになることを目標にしています。そのためには、勉強時間だったり方法論だったりを、自分なりに模索していく必要があると捉えています。
走り書きではありますが、このnoteをセーブ地点として立てておくことで、未来の自分に対するメッセージとしたいですし、一緒の期間にTOEICスコアの取得に時間を使っている他の誰かの励みになればと思ったりしています(文章的に励ませられたら嬉しいのですが、半分「下には下がいるぞ!でも、這い上がるから見ててね!」という自虐的な訴求にも見えなくはないような…)。
掲題に使用した『玉砕』という言葉は、本来このような意味らしいです。
頑張っている人、みんな偉いし、美しい。
そして、成功するためには失敗はつきもの。
その失敗を潔く受け止めて、何を学ぶかですね。
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