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「情報」が国立大志願者へ課される方向へ:大学入学共通テスト

来年度より実施される新学習指導要領で注目されている「情報I」ですが、「情報I」に対応する大学入学共通テストの新教科「情報」が国立大を受ける学生には原則課される方向となりました。

11月12日の国立大学協会の理事会の結果を各紙が報道していますので、これまでの経緯などを踏まえながら説明したいと思います。

現在高校生は情報の授業として「社会と情報」「情報の科学」のいずれかを学んでいます。

およそ8割の高校生は「社会と情報」を学んでいますが、ここにはプログラミングが含まれません。

一方、来年度から学ぶことになる「情報I」にはプログラミングが含まれ、この「情報I」に対応する新教科として2025年(2024年度)から大学入学共通テストに「情報」が追加されました。

文部科学省は大学に大学入学共通テストの試験科目として「情報」を指定するように要請するとともに、「情報I」を学んでいない浪人生のための経過措置を取るとしていました。

しかし現在のところ経過措置の詳細が決定していないため、国立大学協会としては試験対象に指定する決定ができないとし、来年1月に決定を先延ばししました。

ただし、議論の内容はあくまで浪人生と現役生の公平性をどう保つかという点のすり合わせであり、国立大学協会としても原則的には2025年(2024年度の大学入学共通テストから新教科「情報」を各国立大学が試験に取り入れるよう方向性を一致させているという状況です。

国立大学協会としても決定を急いでいるのは、大学入試における出題教科・科目等についてのいわゆる”2年前予告ルール”というものがあるためです。

余裕をもって入試の準備ができるように、高校2年生になるまでには入試に必要な教科や科目がわかっているようにする配慮です。

従来は年度末までに公表すれば良いとされていましたが、以前文部科学省が示した資料では最初の入試が始まる9月の時期に合わせ、2022年9月を2年前とする記載が見られており、各大学は対応を急いでいます。

なお、私立大学については他大学の傾向を見て決めることが多いため、公表時期は遅くなります。

いずれにせよ、これから高校生になる場合は、国立大学の受験でプログラミングを含んだ「情報I」に対応する「情報」教科が課されるので、高校の授業をしっかり取り組むことが大切です。

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